またスマホで入れてた文字が全部消えたんですよ~(T_T)完全にやる気を失ってました…
そんな間に10冊も読んでて、そろそろ更新したいので(笑)、気を取り直して書きました⇓
今回は、「ザ・ロイヤルファミリー」(2022年)を読みました。
馬主さん付きの秘書を主役にした小説で、競争馬の世界を見ることができる本でした。私は競馬とは縁がなく、競馬場に出かけたことも馬券を買ったこともありません。しかし、馬主さんだけでなく、競争馬に関わる様々な仕事について学べたので、まとめたいと思います。
JRAのHPを見ると、 個人馬主登録の要件として以下の項目が掲げられていました。
- 今後も継続的に得られる見込みのある所得金額(収入金額ではありません)が、過去2か年いずれも2,000万円以上あること。
(一時的な所得および競馬に関する所得(地方競馬賞金等)は含まない) - 継続的に保有する資産の額が1億円以上あること。
これは、小説内でも書かれており、馬主資格のある人のうち、馬主になるのは、このうちの馬好きな一部の人々ということになります。馬主さんはどの馬買うかだけでなく、馬をどのレースに出すのか、調教は誰に頼むのか、ジョッキーは誰か、種付けは?などなど、自分で、あるいはチームで決めなければならないというのが分かりました。
競走馬を購入するには、牧場が行うセレクタリアセールというセリ市、懇意にしている生産牧場と馬主との間で内々に行われる「庭先」があります。昔は「庭先」だけでしたが、今は金さえ出せば、コネがなくともセールで良血馬を手に入れることができるそうです。しかし、本書の馬主は「だってセレクタリアで一頭しか買えない値段で、何頭もの馬が買えちまううんだそ。そんなお得な話はないだろ?」と言って積極的に中小牧場とのコネクションを作っていました。
とはいえ、一億円の馬でも、数百万円の馬でも等しく維持費が月に60~70万円かかるということで、本当にお金のかかる話です。さらに、その購入した馬が二億円稼いでくるのか、それとも早期に怪我で引退してしまうのかは分かりません。
また、競走馬には調教師という人がついて、トレーニングをしたり、食事の管理をしたりしているようでした。JRAが管理するトレーニングセンターというところにいて、GI馬を輩出する名トレーナーは馬主から引っ張りだこになりますし、馬集めさえままならない調教師もいるそうです。
競争馬の寿命は短く、競馬場への移送で体調を崩す馬もいてとてもデリケートです。本書では、フランスで行われる凱旋門レースにも日本から競争馬を出場させていましたが、同行して体調管理をする調教師さんはさぞ大変だろうと思いました。
以前、競争馬を移送しているトラックには絶対に近づくなと言われたことがありますが、もしも事故を起こしたらそれはそれは大きな賠償金が請求されることになるというのが良く分かりますね(汗)
そして、放牧といって生まれ故郷の北海道の牧場などでしばらく飼育するというのもあるようです。本書のタイトルにもなっているロイヤルファミリーが放牧で”甘やかされるのが好き”と判明して、レース前にみんなからめいいっぱい甘やかされているのは、読んでいてほっこりしました。
本書を読んで、馬主さんというのは本当にお金がかかる趣味?なんだなと思いました。完全にギャンブルですよね。最近「ギャンブル依存症30分でギャンブルは辞められる本気で辞めたくなったら読む本」(2023年)を読んだので、苦しいから、辛いからこそやめられなくなっているような気がしてしまいます。
そして、馬の幸せって何だろう?とすごく考えさせられる作品でもありました。競馬の世界を知りたいと思ったら、読んでみてください。ドキドキ、わくわくが止まらなくて、本当にあっという間に小説の世界に引き込まれる本でした。

