歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

モンテッソーリ教育

今回は子供の潜在能力を101%引き出すモンテッソーリ教育(2006年)を読みました。

 

モンテッソーリ教育って藤井聡太棋士がそうだったと聞いたことがあったけれど、詳しくは知りませんでした。専用の玩具があって、すごくお高い(笑)というイメージしかなかったのが、本書を読んで、その考え方が理解できたのでまとめたいと思います。

 

 

 

モンテッソーリ教育は、マリア・モンテッソーリというイタリア人女医によって生み出され、アメリカで再注目されたことで日本にも輸入された考え方になります。モンテッソーリ教育には、集団全員が一律にやらなければならないカリキュラムは存在しませんが、一斉指導を一切しないというわけではないようです。5つの教育分野(日常生活の練習、感覚教育、算数教育、言語教育、文化教育)が系統的にカリキュラム化されているということでした。

 

 

同じことを何度もする意味

 

一人ひとり発達のペースが異なるということが前提であり、子どもたちは自分の年齢・月齢・発達ニーズ、ペースに合わせて棚から自分のやりたい活動を選択し、取り組みます。また、先生は子どもの発達状態や一人ひとり異なる興味・関心に応じて教具・教材の使い方をゆっくり見せて示します。とにかく、「観察」することが重要であり、適したタイミングで次のレベルの教材に誘ったり、同じ系統の違う教材を紹介したりするということでした。

アリの列を眺め続ける子どものように、子どもが集中して取り組む間は何も言わずに見守り、飽きて次の活動に移るタイミングをよく「観察」して声かけを行っているようでした。さらに、自分の活動に集中し、満足した子どもは一斉指導にも積極的に参加するようになるし、他の子どもとの関わりも持つようになるということでした。

 

 

自分で選ばせる

 

モンテッソーリの考え方として、子どもには「敏感期」があると考えます。敏感期とは、「子どもが、ある能力を身につけるために、環境中のあるものに特別に敏感になり、主体的にかかわるある一定の時期」です。この時期は、人それぞれ異なり、ある能力が最高の実に育つ時期だということでした。

具体的には、アリを見続ける子どもは「小さいものを見続けることによって、目という感覚器官を刺激し、精度の高い感覚器官に育てようとしている」と考えますし、急須でお茶を注ぎたがる子どもは、「腕や手、指の動きを発達させる敏感期にいる」と考えます。この場合、熱いお茶はやけどをする危険があるので、冷たい麦茶にしたり、割れないコップを準備するということになるわけです。

子どもは大人には意味の分からない行動を繰り返すということがありますが、モンテッソーリ教育では、これは敏感期であり、主体的に学びたがっていると考えるので、決して止めたりしません。

 

 

学びのループ

 

この学びのループを繰り返すことで、自分で考え、行動できる子どもが育ちます。子どもは自分が興味・関心を持っていることに集中して、充分にかかわれると達成感、満足感を感じます。そして、何事に対しても意欲的になり、楽しみながら自分で学べる子どもに育っていくということでした。

子どもが持つ無限のエネルギーを「学びのスパイラル」に入れながら、主体性、集中力、意欲、自身、挑戦力をどんどん伸ばしていくというのがモンテッソーリ教育の考え方だということが理解できました。

 

 

まとめ

 

この本、息子たちが小さいころに読めたらよかったのに…と思ってしまいます。私の考え方(過去記事構成主義参照)ともピッタリだし、何より、一斉指導が苦手な息子たちにすごく向いていると思うんですよね。

 

ddh-book.hatenablog.com

とは言え、「モンテッソーリ」という名前ばかりが有名になって、本書の著者さんのようにドイツに留学してしっかりと学んだ指導者がいる幼稚園・保育園というのがどのくらいあるのかというのは疑問ですし、親が学んで頑張るのも、働きながらでは難しそうで、それこそ、「モンテッソーリスターターキット」みたいな高額教材を買うしかなくなりそうですよね。親自身、これまで自分が受けた教育方法がしみ込んでしまっているので、これは敏感期?本能的にやりたがってる!と思って見守るという考え方からインストールしていかないといけないなと思いました。

 

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