今回は、「哲学的な何か、あと数学とか」(2019年)を読みました。
過去記事「不完全定理」「哲学的ゾンビ」と同じ著者さんで、やっぱりものすごく面白いです。フェルマーの最終定理の話も、本当に面白かったのですが、1番気になった数学者ソフィーの話をまとめたいと思います。

ソフィーはフランスの裕福な商人の娘で、物静かで美しく、聡明な女性でした。私は、ソフィーと言うと、「ハウルの動く城」のソフィーのほうが思い浮かんでしまいます(笑)
それはさておき、彼女こそフェルマーの最終定理の「第2の扉」を開いた女性数学者です。

ソフィーは、父親の書斎にあった「数学史」の本を読み、アルキメデスの物語に心を奪われます。ローマ軍が攻め込んでいているのに、数学の問題を解くことに熱中していたアルキメデスは、とうとうローマ兵に殺されてしまったという話です。
その物語に感動したソフィーは、数学に魅了されていきました。
しかし、その頃のフランスでは「女性に学問は不要」という考えであり、両親から勉強をしないよう監視され、ろうそくも暖房も取り上げられてしまいます。それでもソフィーは両親に隠れて数学を勉強しつづけたということでした。
そして、ソフィーが10代の終わり頃、パリに数学を学べる学校が新設されます。どうしてもそこに入って数学の勉強がしたかったソフィーは、以前在籍していたルブランという男性の名前をかたって、学校に潜り込むことに成功します。なんとかして教科書や問題集を手に入れると、ルブランの名前でレポートを提出していたそうです。それが、19世紀最高の数学者と言われたラグランジュの目にとまり、少女が単身、潜り込んでいたことがバレてしまいます。
ところが、ラグランジュは数学への熱い志に打たれ、彼女の指導者となりました。
ラグランジュのもとでメキメキと力をつけたソフィーは、「フェルマーの最終定理の新しい研究成果」を発見します。それを「数学史上もっとも優れた数学者」と評価されるほど偉大な数学者ガウスに、またもやルブランの名前を使って、手紙を出しました。
ガウスは深い感銘を受け、「素晴らしい友人を得たことを嬉しく思います」と返事をしますが、またもや女性であることがバレてしまいます。

1806年、ナポレオンが率いるフランス軍が、ガウスのいるドイツに戦争をしかけます。ガウスの身を案じたソフィーは、フランス軍の指揮官に手紙を送り、ガウスの身の安全を保障してくれるように頼みます。そして、それは成されるのですが、これがきっかけでバレてしまったそうです。
ガウスはソフィーが女性であることに驚いたものの、変わらぬ友情を誓い、手紙のやり取りを続けたそうです。
しかし、ガウスの興味の対象が、ソフィーのやっている分野とは違う方面に移ってしまい、手紙の返事が来なくなると、ソフィーはショックのあまり、数学をやめてしまったそうです。
心機一転したソフィーは、物理学の道へと進み、そこでも大きな功績をあげたそうです。ところが、当時の物理学の世界も女性への差別と偏見に満ち溢れており、ソフィーの業績に対して、それに見合う名誉が送られることはありませんでした。
それに気づいた数学王ガウスが、彼女に名誉博士号を送るようゲッティンゲン大学に働きかけたそうです。なんという師弟愛!ガウスはソフィーを見捨ててなかったんですよ!ところが、その名誉を受け取る前にソフィーは乳がんでこの世を去ってしまったそうです…。
キュリー夫人もそうですが、当時の世の中で女性が数学や物理を学ぶというのは本当に大変なことだったんだなと思います。ウィキペディアを見てみると、エッフェル塔の建築にもソフィーの研究が貢献したと書かれていました。同じ女性ですが、優秀すぎて、めまいがします。
ソフィーはフェルマーの最終定理の「第2の扉」を開いた人物ですが、フェルマーの話やフェルマーの最終定理が350年以上かかってようやく証明された過程もすごくドキドキ、ハラハラする内容でした。ものすごく面白いので、数学にあまり興味ない人でも、数学が好きになってしまうかもしれませんよ!?
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