歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

分散思考

今回は、集中力はいらない(2018年)を読みました。

 

 

著者さんは、1時間に10分執筆して、工作したり、庭に出たり、犬と遊んだり、ネットサーフィンして、また10分くらい集中して執筆するという方法で本を書かれているそうです。私も著者さんほどではないものの、一つの事に長く集中することができないなと思ったので、「分散思考」についてまとめたいと思います。

 

 

本当の集中

 

著者さんは小さいころから「集中しなさい」「落ち着いてゆっくり取り組みなさい」とよく言われたそうです。しかし、集中力を全面的に押し通すことには懐疑的な意見です。大人から「やりなさい」と言われたことには集中できなかったが、自分がやりたいこと、自分が考えたいことには集中していたということでした。

確かにそうだと思います。大人が「集中しなさい」という通りにすると、結果的に「集中できない」状態になってしまうというのには、深くうなずいてしまいました。

では、本当の集中とはどういうものかというと、

「集中」は好奇心が原動力だろうと思われる。

ということで、むしろ集中しないことで、人間本来の能力を発揮することができると述べています。

 

 

 

つまり、マルチタスクを行いながら、脳の違う部位を使う作業を行い、脳の様々なデータにアクセスことで、「発想」がひらめくということだと理解しました。発想、つまり問題さえ明確に提示されれば、あとは「労力」や「時間」をかけさえすればできる楽しく、簡単な作業になります。そして、この発想は、一点を集中して見つめていては気づくことができません。

著者さんは、小説のタイトルが決まれば、10日から2週間で書き上げてしまうそうです。しかも、1日に1時間(10分×6)の執筆量で。一気に書き上げたいと思ってしまうところを、疲れないように、仕事が雑にならないようにと意識してゆっくり進めているということでした。

 

 

時間の分散

 

著者さんは工学系の研究職を49歳でやめたということで、過去記事「工学系_失敗を予想する」にもあったような失敗回避をタイム・シェアとしてシステム化しているそうです。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

たくさんの作品(工作を含む)を同時進行で進めるため、なかなか完成はしませんが、いずれは完成します。それに、自ら期日をかなり早めに設定し、スタートからゴールまでコンスタントに進めるため、〆切前にトラブルにより間に合わないという事態も回避できているということでした。著者さんからすると、〆切前になってピッチが上がったり、徹夜して作業するなんてことは、他の作品に影響が出てしまうし、余裕をもって完成させれば、ゆっくり眺めて評価することもできるということです。

私もどちらかというとこちらの立場ですね。仕事が早くできるのですが、それを上司に報告してしまうと、次から次に仕事を増やされるので、完成しても言わないということを学びました(笑)

 

 

考えること

また、「考えること」についても考えさせられました。

大多数の人たちは、「学ぶ」ことが「考える」ことだと勘違いしている。

と著者さんは述べます。「学ぶ」とは頭にインプットすること「考える」とはそれらインプットしたものを用いて頭の中で理屈を組み立てること、仮説を作ることだということでした。

今の若者は「考えよう」として頭で問題を思い浮かべるものの、すぐに「わからない」という結論になります。そして、わからないのは、自分がこの問題を「知らない」からだ、と結論を出します。さらに、「知る」ためには調べる、検索する、誰かに教えてもらうという行動になります。今はChatGPTがなんでも教えてくれるので便利ですが、ますます「考えられない」人間が増えてしまいます。

では、どうすればよいかというと、

人間は、なにもすることがなければ考える生き物である。ようするに、なにも与えなければ、自分の頭の中で自分が欲しいものを作るようになる。

ということでした。

リラックスして、ぼーっとする時間も大事だということでしょうか。

 

 

まとめ

 

私もYoutubeのネタを思いつくのは、家事をしたり、本を読んだり、何か他のことをしているときなので、本書の著者さんが言う分散思考の重要性はすごくよく分かります。そして、人によって向き不向きがあるんだろうとも思います。

私には分散思考が合っていると思ったし、これまで仕事の合間に家事をしたり、畑仕事をするのに罪悪感がちょっとあったのですが、これからは、より仕事に集中できるようにあえて脳の違う部位を使うというスタンスで、マルチタスクを取り入れてみようかなと思いました。

 

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