歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

林業

今回は、神去なあなあ日常(2013年)を読みました。

 

 

本書は、神去村(かむさりむら)に林業研修生として高校卒業と同時に放り込まれた平野勇気の記録(小説)です。林業という仕事について、まとめたいと思います。

 

屋敷林の手入れ

 

山から吹き下ろす風を防ぐために屋敷の周りに植えている杉の木は、腰にベルトをつけ、杉の幹をぐるりと一周したロープと昇柱器で地上6メートルの高さまで登ります。枝を斬りすぎると屋敷林の用をなさないし、ほおっておくと家に日が射さなくなってしまうのだそうです。

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勇気はチェーンソーでようやく指示された枝を切り落としますが、村育ちのヨキは斧を持って、昇柱器なしに腰のロープ1本で木に登っていました。すごい。そして、斧一本で仕事をする人のことは木こりと呼ぶのだそうです。

 

 

雪おこし

 

若い杉の木は、雪の重みで谷側にしなってしまうそうです。春そのままにしておけば、売り物にならないため、雪を払い、幹がまっすぐになるよう固定する必要があります。3メートルもある若木の枝の付け根に縄を結び付け、腰を落としてぐっと引きます。そして幹を垂直に起こしたところで灌木の根本に結び付けます。縄は藁をよって作られているため、そのうち腐って落ちるそうです。

勇気は、灌木に結び付けるときに手の力が抜けて、反動で吹っ飛ばされていました。危険な作業ですね。

 

 

植林

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春には苗木を植えます。しかし、その前に地ごしらえといって、きれいに地面をならす必要があります。灌木(樹高が約3m以下の木)を切り、枝を取り除きます。切り株や幹はそのまま放置でも土にかえるということでした。

そして、1反(300坪くらい)に450~500本の苗木を植えます。山は上に行くにしたがって狭くなるため、日照不足にならないよう、矩形植え(くけいうえ)という長方形に植える方法で植えていくのだそうです。

 

 

下刈り

 

杉の木がある程度成長するまでは、年に2回、雑草などの下刈りをします。急な斜面で、若木を切らないよう注意しながら、大きな鎌で雑草を刈っていきます。そこにもコツがあるようですが、案の定、勇気は若木を切ってしまっていました(笑)。

 

 

枝打ち

 

節のない木材にするため、余計な枝を切り落とすのが枝打ちですが、下の方の枝は切り落としてあるので足場や手がかりになる枝はありません。そのため、はしごやロープを使って木に登る必要があります。また、枝の根本のふくらみを残して、うまく角度をつけて切らなければ、幹に傷がついてしまうのだそうです。

もちろん勇気はノコギリで切りますが、ヨキは斧です。しかも、投げ縄の要領で隣の木の枝にロープをかけて飛び移るのだそうです。子どもの頃から山に住んでいなければできない荒業ですね。

 

 

間伐

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尾根に向かって木を右に切り倒すことを「右斧」、左に切り落とすことを「左斧」というそうです。さらに、右斜め上方向に倒すのは「追いこま」、斜め下45度に倒すのは「こまざか」、水平は「横木」、真上は「権兵衛」、真下は「小便垂れ」になります。

経験豊富な年長者が指示しますが、その通りに木を倒すというのも難しい技です。よほどの障害物があるときを除いて、尾根側に倒すようにするのが基本であり、運び出すのにも効率が良いということでした。

 

 

まとめ

 

本書では、不思議な山の神様の話も出てきます。山の神様に土地を借りて木を植えているということで、閉鎖的な村民、お祭りや神事の話もとても興味深かったです。また、過去記事「先入観」で学んだ、成長し終わった木では光合成をあまりしなくなるという話も出てきたし、ものすごいスギ花粉により花粉症になってしまったり、山で出会うダニやヒルの話もすごくリアリティがあって、勉強になりました。

ddh-book.hatenablog.com

人気(認知?)があまりない仕事で、人手不足なのだとは思いますが、すごく大事だし、必要な仕事だよな~と本書を読んで思いました。続きも読んでみようと思います。