今回は、「どんな逆境でも、最高のパフォーマンスを発揮する 心を「道具化」する技術」(2024年)を読みました。
本書の著者さんは防衛大学校を出て陸上自衛隊で師団長をし、幹部学校の学校長、西部方面総監をされていた、自衛隊でもエリート中のエリートのようです。過去記事でも読んだ「日航機墜落事故」では情報小隊長としてNHKニュースを見た30分後には現場に向かったそうですし、阪神淡路大震災では災害派遣に従事し、熊本地震ではJTF(総合任務部隊)の指揮官として指揮を執っていたそうです。
災害派遣現場では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する(あるいは、それに近いような状態になる)ことがあります。著者さんはそのような現場に派遣されるとき、予想される惨状を頭の中で繰り返しイメージするのだそうです。そして、一緒に行動する部下たちにもこのイメージを共有します。
心の準備をするということは、精神的な危機を乗り越えるためのテクニックの一つであり、予防注射やショックアブソーバー(振動する機械構造や建築物の振動を減衰する装置)のようなものだということでした。
著者さんは防衛大学校で合氣道部に入ったそうで、私の大好きな、過去記事で何度も取り上げている中村天風先生の直弟子でもある佐々木将人師範に稽古をしてもらったのだそうです。
合氣道では、自分の心身をリラックスさせて心と身体をコントロールする力(心身統一道)を鍛えます。この鍛錬によって、著者さんは、
- 嫌なことや思いもよらない出来事があっても、心が大きく揺さぶられないよう、心をコントロールする力が身に付いた。
- 「自分でないもの」を「自分」だと勘違いしないようになった。
と述べています。自衛官としてのポストや階級はいずれ返納するものであり、「自分」ではありません。また、「心」も自分だと勘違いしてはいけません。嫌なことがあったり、失敗したり、苦手な人のことを始終考えている「心」は「自分自身」ではありません。要するに、嫌なことではなく、自分の好きな人や憧れる人のことを考えるといったように、「心」は「自分自身」によってコントロールすることができるということです。

これは、過去記事「トールの目覚め」でエックハルト・トールが言っていたことを全く同じでした。そして、著者さんは、このことを「心を道具化する」と言っています。
私たちは、植物に対しては適度な水と肥料を与えますが、それは、成長には時間が必要で、多すぎる肥料は返って植物を枯らしてしまうと知っているからです。ところが、相手が「人間」になると「適度」が分からなくなる人がいると著者さんは述べます。自分自身も含めて「人間」を育てる際には「植物」を育てる意識で、急速な成長を期待せずに行った方が良いということでした。要は、時間をかけてコツコツと継続することが大事だということですね。
では、どのようなトレーニングを行い自分の心を鍛えるかというと、
「心の準備」⇨行動
例えば、信号待ちの状態から歩き出す時、「自分はもう歩いている」とイメージしてから歩き出すというトレーニング法です。「すでにその動作をしている」と意識することで、「静」と「動」との間に差がない状態、合氣道で言うところの「静動一致」の状態となるよう「心の準備」を行います。普段何気なく無意識で行っている動作を意識的に行うことで、無駄のない洗練された動きを習得できるということでした。
「本当のリラックス」状態
「折れない腕」という実験では、意識的に腕を曲げないよう抵抗した時よりも、力を抜いて手を伸ばすことに集中した時の方が腕が折れないという体験をすることができるそうです。(息子としてみましたが、ふざけるのでうまくできませんでした。)スポーツなどでも、力が入った状態では良い動きはできませんよね。
心も同じで、自分の意志(目的・目標)を明確にすることで、「強くて折れない心」ができます。「自分以外の何か」に意識を向けるのではなく、「困難やプレッシャーとは勝負しない」と決めてしまえば、心はリラックス状態になります。「折れない腕」の実験と同じように、「自分が今やるべきこと」にひたすら集中するということです。
瞑想
著者さんも毎日瞑想を実践されており、心のトレーニングにも効果的です。呼吸の長さや丹田の正確な位置など細かいことは気にせず、自分の良いように集中すればよいそうです。また、意識を広げたり、苦手な人や嫌な人を思い浮かべて、好きな人やペットで心をいっぱいにするトレーニングも心を鍛えるには良さそうです。
木刀を使った鍛錬なんかもありましたが、ちょっと家には木刀がないので、スルーしちゃいますね(笑)
過去記事「五戒を言わないと決意しました」で決意したにも関わらず、本当に毎日挫折、挫折で心折れそうだったんです。でも、本書を読んで、何年もかかると覚悟して折れずに継続することが大事なんだと気づき、何度でも頑張ろうと思えました。
その言葉を発する前に、「これがこの人との最後の会話になってもいいのか?」と心の中で聞くという、「後悔先に立たず」作戦もやってみようと思います。実践すること、継続することが大事だということなので、気長に頑張ります。
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