歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

宗教二世

今回は、「ちょっと気になる変わったあの子」だったスクールカウンセラーが伝えたい宗教2世支援(2025年)を読みました。

 

 

安倍元首相の暗殺から宗教二世が話題になったのではないかと記憶しています。私自身はあまり関心がありませんでしたが、その後NHKスペシャルで取り上げられたり、当事者が要望書を出し、こども家庭庁が動いたりと様々な動きがあったようです。

本書は、現在臨床心理でスクールカウンセラーもしている宗教二世(エホバの証人)の著者さんが、当時行っていたことや葛藤、自殺未遂、宗教二世の支援について書かれている本です。知らなかったこと、驚いたことをまとめたいと思います。

 

 

物心ついたころから

 

著者さんのお母さんは、著者さんが2歳の時に「エホバの証人」を学び始め、今も熱心に信仰しているそうです。エホバと言えば、輸血ができないというのは知っていましたが、他にも子どもにとっては辛い、様々な制約があったようです。

誕生日や祝祭日のお祝い(クリスマス、正月、節分、バレンタインデーなど)

国家斉唱・国旗敬礼

・柔道や剣道などの武道

・神社や仏閣への参拝

・生徒会役員・学級委員の選挙への参加

部活動への参加

・特定の学校行事(運動会の騎馬戦や応援合戦など)

これらは、すべて神エホバに背く行為であり、エホバを信じる者以外はハルマゲドンで死んでしまうと信じているので、先生に申し出て「私は参加しません」と言わなければいけません。エホバが悲しむと言われれば、セーラームーンも見ないし、モーニング娘。の曲も聞かなかったそうです。一般的なおしゃれも禁止だったということでした。

 

 

伝道活動

 

著者さんはエホバの中でも特に良くできる模範的な信者だったそうです。幼い頃から、週に3回ある地域の集まりや、年に3回ある大規模な集会で発言したり、小学校入学と同時に神権宣教学校に入り、小学校2年生くらいですでに「伝道者…一軒一軒家を回って伝道活動をする」だったそうです。

「世の人たちは、エホバを知らない可哀想な人たちで、私たちが彼らに真理を伝えてあげなくてはならない」と本気で考えていた一方、心の奥ではいつも死にたいと思っていたということでした。

 

 

大学中退

 

思春期以降、人間の前頭葉は30代まで発達し、それによりメタ認知力が高まるというのはこれまでに学んできました。著者さんもメタ認知、つまり自分を客観的に認識できるようになるにつれ、本当の自分がやりたいことと宗教による制約との間で苦しむことになったようです。

大学の薬学部に進学したものの、オーバードーズで病院に運ばれたり、自傷行為を繰り返したりして退学したそうです。本来であれば、大学進学や正規雇用での就職は禁止で、大体の2世は、高卒で週に3回くらいのパートタイム労働者になり、あとは伝道をするという極貧生活をしているそうです。

 

 

恋愛禁止

 

幼い頃から刷り込まれた価値観が、恋愛においてもさらに著者さんを苦しめました。エホバでは、特定の年齢まで恋愛を避けるよう指導され、同じエホバの男性と結婚しなければならないそうです。著者さんは大学を退学後、精神科のお世話になりながら、自分を助けてくれた男性(こういう女性に近づいてくるのはだいたいモラハラ気質)と恋におちてしまいますが、添い遂げられなかったということで、査問委員会にかけられ排斥処分を受けてしまいます。

 

 

宗教をやめても残る残骸

 

排斥により目が覚めた著者さんは、脱会し、今は臨床心理士をされている訳ですが、そこのところは書かれていません。ただ、今だに選挙には行けないし、「明けましておめでとう」「メリークリスマス」「お誕生日おめでとう」などは、気合を入れないと言えないそうです。

同じ宗教であっても、家庭により厳格さ体験も違い、二世の苦しみは人それぞれなのだそうです。しかし、物心ついた時から信じていたものが当たり前ではなく、守らなければいけない掟も「普通」の人たちにはないというのは、どれほどの衝撃だったのかと思います。宗教二世に摂食障害自傷行為が多いという話で、過去記事「生きるための自傷行為を思い出しました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

まとめ

 

小学校高学年の頃、夕方母親と家々を訪問している同級生がいましたが、エホバだったのかも知れませんね。40代になった今はどうしているんだろうと、ちょっと気になりました。WEBで調べてみると、日本にも色々な新興宗教があるんだな〜と驚きます。そして、どこも容易には脱会させない仕組み(精神的)があり、まるで、ヤ○ザの世界のようだと思いました。自分が宗教に救われて、幸せなのなら良いですが、子どもが規則や体罰で苦しんだり、脱会=親子の縁まで切れるような教義に巻き込むのはやっぱり可哀想だよと思いました。

とはいえ、イスラム教の国など国全体で(日本人から見れば)厳しい戒律の宗教を信じる人もいる訳です。無宗教者が多く、他宗教のイベントだろうと関係なく取り入れて楽しんでしまう日本では、余計に辛く感じるのかも知れないなと思いました。

 

ぺにょは、イラストACで歯科のイラストも投稿しています!
歯科衛生士のぺにょで検索! ↓↓

無料イラスト素材【イラストAC】