今回は、「戦略的いい人 残念ないい人の考え方」(2024年)を読みました。
本書のタイトル、「評価経済社会の生き方」で読んだ「いいひと戦略」を思い起こさせます。
上記は「いいひと」でいる方が評価経済社会になっていくのでお得なんだよという話でしたが、本書は「いい人」の具体的な行動を説明する内容でした。心に響いたものを整理したいと思います。
がんばって〈いい人〉を貫こうとすると、嫌われることはないけど、とくに好かれることもありません。
著者さんは、頑張るほど〈残念ないい人〉になってしまうと言います。頑張っていると、それを認めてほしいという承認欲求が強くなってきてしまうそうです。頑張っているアピールをしてくるウザい奴ということですね。逆に、文句も言わずにひたすら頑張っているのに、報われない人というのも居る気がします。そういう人は、いいように上司に使われる割に、あまり昇進とかはしませんよね。

一方、人生がうまくいっているときというのは、夢中になっているときだそうです。ビジネス書でよく出てくる、チクセントミハイのフロー理論ですね。
成功するのは頑張っている人よりも誰かを幸せにした人
これは、胸に刻みつけておきたい言葉です。
私は、人と関わる仕事をしているので、疲労により感情的になってしまうことで人間関係に大きなダメージを受けることを知っています。
これ、すごく分かります。
いっぱいいっぱいで疲れていると、ろくなこと言わないですよね(笑)なので、著者さんは持続可能な「戦略的いい人」でいるために、我慢をしないのだそうです。何が食べたい、どこに行きたいだけでなく、少し疲れた時の解消法、疲れないため(予防)にお金をかけること(タクシーやグリーン車を利用するなど)を心がけてしているということでした。
私の場合は、部屋が散らかっているとイライラするので、整理整頓も大事かもしれません。
おかげさま商法というのは、「○○さんのおかげで、〜することができました」というのをチームでお互いにやりませんか?ということです。著者さんは、自分の苦手なことは人に頼ることを推奨していて、頼った人の手柄は周囲に伝えるようにしているそうです。
とにかく手柄を人に渡しまくると、結局自分がトクをします。
究極の「Bポジ」…橋渡しが感謝を生む循環の仕組みを目指すと良いということでした。デール・カーネギーの名著「人を動かす」でも書かれていたのを思い出します。
言ってやらせようとするのは愚策
おかげさま商法は、人をやる気にさせ、動かせる方法でもあります。子育てにも応用したいです。
先ほどもお金の使い方について出てきましたが、自分を満たす他に、人が喜ぶことに積極的なお金を使うと好循環につながります。著者さんは、お金を人が喜ぶことに使うと、長い目で見て大きく回収されると述べます。具体的には、仕事の関係者にプレゼントしたり、ご馳走したり、盛大な記念パーティーを開いたりすることで、広告宣伝効果を期待できます。 また、売り上げの一定割合を次の成長やサービスのクオリティ向上、自分やチームの作業環境改善、新たな人件費に使うというのも喜ばれるお金の使い方になりますし、人の応援するために使うというのも良いお金の使い方ということになりす。
こちらも、ビジネス書によく出てくる、「ギバー」や「返報性の原理」のことだなと思いました。過去記事「ベルトコンベア理論」でも同じことを言っていましたね。
本書を読んで、私も頑張らない、戦略的いい人になりたいなと思いました。著者さんは細やかなコミュニケーションや行動力が自分の強みだということでしたが、自分の強みを分析して、苦手なことを得意な人に任せるという考え方も学ぶことができました。そして、それこそが細やかなコミュニケーションが得意ではない、私ができない部分なんだよな~と改めて思いました(笑)

