今回は、「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」(2017年)を読みました。
お金について違った見方ができる本で、今後の資本主義がどうなるのか学べる内容でした。特に、経済システムの要素について、今後のお仕事にも役立つし、覚えておきたいと思ったのでまとめたいと思います。
まず、ひとつめは、報酬が明確であるということです。参加する人に何かしらの報酬(インセンティブ)、明確なメリットがなければ始まりません。著者さんは経営者ですが、経験上、この要素が抜けていて失敗することが最も多いのだということでした。
現代は衣食住よりも社会的な欲望が目立ってきていて、3M(儲けたい・モテたい・認められたい)を満たすようなシステムの発展が著しいそうです。
次は、時間によって状況が常に変化するということです。そして、それを参加全員者が知っているということが重要です。

これは、キャンペーンだとか、ゲームのイベントですね。常に新商品を出さなければいけないというのもこれだなと思いました。
また、不確実な要素があったほうが経済システムとしては活気が出るのだそうです。自らの思考と努力でコントロールできる「実力」の要素と、全くコントロールできない「運」の要素が良いバランスで混ざっている環境のほうが持続的な発展が望めるということでした。
確かに、ゲームやポイ活では頑張ることと運の要素の両方が用意されていますよね。
社会で広く普及した経済システムは例外なくヒエラルキーが可視化されていて、明確な指標の役割を担っているそうです。ランキングなんかがそうですね。私もイラストACにクリエイター登録してから、毎日ダウンロード数とランキングをチェックしています(笑)

優位なポジションを手に入れた者はその地位を守ろうとするので、「リアルタイム」や「不確実性」を担保するために、新陳代謝を強制的に促す仕組みを組み込んでおく必要があるということでした。
「経済システム」そのものに参加者同士のコミュニケーションの機会が存在しているというのも重要です。参加者同士が交流しながらお互いに助け合ったり議論したりする場が存在することで、全体が一つの共同体であることを認識できるのだそうです。
本書で提示されている、新しい経済システムでは、DAOを使って個人が通貨(トークン)を発行し、オリジナルの経済システムを作ることができます。今は財務諸表に資本として載らない、ネットワークや信用が今後はますます重要になってきますね。
そして、これ以降はシステムの安定性と持続性のために必要な要素です。
寿命というのは、その経済システムの寿命をあらかじめ考慮に入れておくということです。
経済は人気投票を何百万回と繰り返すようなものなので、時間が経つほど特定の人に利益が集中してしまうのは必然です(フィードバックループの結果)。この作用が格差を生み出します。
寿命がきたら別のシステムに参加者が移っていけるようなシステムを複数用意しておくことが、安定的な経済システムにつながるということでした。飽きられても他のサービスでユーザーを逃さないようにするということが大事です。
参加者全員が同じ思想や価値観を共有している、別の言い方をすると、参加者が共同の幻想を抱いている場合、システムの寿命は飛躍的に延びるのだそうです。国家であれば倫理や文化、組織やサービスであれば理念や美学みたいなものがこれに該当します。
これは、過去記事「自分のコア・バリュー」でも理念の重要性を学びました。アップル信者はまさにそれですね。
利害が激しくぶつかりあう場合でも、参加者が同じ思想や価値観を共有している場合には、互いに譲歩できる着地点を見つけられる可能性が高くなるということでした。
本書において、資本主義では「現実世界で役に立つかという有用性としての価値」のみ扱ってきたが、「個人の感情と結びついた内面的な価値」や「共同体の持続性を高める社会的な価値」がテクノロジーの進化により評価可能になってきていると述べられています。そして、過去記事「労働なき世界」でも考えた「好きなことで生きていく」という世の中についても具体的なものが見える内容でした。
ベーシックインカムについて、私はてっきり国がするのだと思っていたら、企業による無償提供という意味でのベーシックインカムもあると知り、驚きました。そして、経済は自然に似ているというのが、なんか、ストンと腹落ちしました。

