歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

労働なき世界

今回は、働かない勇気(2023年)を読みました。

 

 

表紙も本文構成も、あの有名な「嫌われる勇気」のパクリですね(笑)

 

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表紙にある通り、哲人は労働は悪行であることを青年に対話を通して説明していきます。「嫌われる勇気」のような、もう一歩深い話を期待した分、読み終わって少し物足りない(私が説得されなかった)感じが惜しいのですが、「無駄な労働」があること、労働のない世界がどのようなものなのか勉強になったので、整理した上で、労働のない世界における歯科衛生士の仕事について考えたいと思います。

 

 

無駄な労働

 

ブルーカラーの仕事はAIには代替できない、これは、過去記事「生成AIで変わる未来」で学びました。

 

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では、ホワイトカラーは?と言うと、ホワイトカラーの仕事は、「経済活動」ではなく「政治活動」であると哲人は言います。

「経済活動」とは、直接人のニーズに貢献する活動や、その活動に必要な準備のことで、何かを作ったり、運んだり、メンテナンスする、人のお世話をするといったものになります。

一方、「政治活動」とは、自分や自分たちの都合のいいように富が分配されるように働きかけたり、富の分配を管理したりすることを意味します。例えば接待や営業、CM広告などは、契約を取ることが目的であり、それ自体は何も生み出しません。経理・人事業務やプログラミングでそれを効率化するというのも、単に富の生産や移転を管理している行為で、 それ自体は何も生み出しません。

つまり、経済活動が増えることは好ましいことであるのに対し、政治活動はなければないほうが良いということです。さらに、政治活動の大半はAIで代替しても更なる労働を生むだけであるとも説明されます。もちろん、経済活動にはなんらかの管理が必要なので、ゼロという訳にはいかないでしょう。しかし、資本主義経済において、会社は資本を得るために政治活動を増やし続けています。日本で作られる洋服の半分は廃棄になっているというのには驚きましたし、モノを売るための広告や宣伝なども無駄な仕事だと言わざるを得ないなと思いました。

 

 

労働の定義

 

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本書では、労働を「他者から強制される不愉快な営み」と定義します。趣味で行う家庭菜園は、農業とは異なり、楽しみのためにしている行為なので、労働ではありません。つまり、やりたいからやっていることは、労働ではないということです。そして、この労働は無くせるというのが哲人の主張になります。

 

 

 

労働のない世界のために必要なのがベーシックインカムです。ベーシックインカムとは、Wikipediaによると、

最低限所得保障の一種で、政府が全国民に対して、決められた額を定期的に預金口座に支給するという政策

とあります。年金・雇用保険生活保護などの社会保障制度、公共事業を縮小・統廃合することができるため、まず行政の労働を大幅に減らすことができます。そして、このベーシックインカムが保証される世界では、お金のために働く必要がなくなるということです。もちろん、お金を稼ぐために働きたいという人もいてOKです。それは、やりたいからやっている仕事であるため、労働とは呼びません。

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また、一番の問題は財源ですが、こちらについては、まずはビルゲイツといった超富裕層からの課税、そして国債発行、さらに行政コストの削減により賄えるという主張でした。経済的に保証された世界では、犯罪も減り、警察や裁判所、刑務所、健康保険などのコストも削減できるのだということでしたが、これらはどうなんでしょうね?

 

 

労働のない世界

 

労働のない世界、自分がやりたいことをやればいい世界、確かに良いなと思います。それに、今の資本主義経済では、無駄な労働があまりに多いことも理解できました。しかし、本当に「他者から強制される不愉快な営み」をこの世から無くせるのでしょうか…。日本では高齢化が問題になっていますが、高齢者のお世話だって、嫌だけどお金を稼ぐためにやっている人もたくさんいます。そのような人がいなくなれば、全て家族に圧し掛かってくる問題のような気がします。

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世界中でベーシックインカムの導入実験のようなものが行われていて、人々の働く時間はむしろ増えたという研究もありますが、1~2年の短いものしかないため、長期的に何が起きるのか、世代が進むとどうなるのかは全く未知数です。

 

 

歯科衛生士

 

歯科衛生士の立場で考えると、ベーシックインカムのある世界で、たくさん勉強して国家資格を頑張って取得する意味というのはどうなるのかな?と不安に思いました。私もそうでしたが、資格があればどこへ行っても食べられるから、資格を取ろうと考えて医療系の専門職を目指す人も多いと思います。でも、わざわざ時間とお金をかけて資格を取らなくても一生生活に困らないとすれば…?医者や看護師といった有名な職種ならまだしも、歯科衛生士のようなマイナー専門職にわざわざなろうと思いますかね?もちろん、私は歯科衛生士という専門職に誇りを持っていますし、こんなに素晴らしい仕事は無いと思っています。でも、中高生はどうでしょうね?お金の心配はしなくていいと言うのなら、ユーチューバーやプロゲーマー、アイドルといった、親が「成功するのは一握りで、お金で苦労するからやめときなさい」と言って反対するような仕事をしたいと言うのではないでしょうか。

 

 

まとめ

 

私もずっと資本主義を脱却した世界について考えていますが、本書で言うような「労働なき世界」とは違うのではないかなと思っています。多分、過去記事「百姓万歳」のような小さなコミュニティでそれぞれの特技を生かして役に立つ生き方、過去記事「将来の日本」であったようなドット型国家のような形で、専門の資格を外に取りに行き、自分の国家に戻って役に立つ人材になるというような形になるのではないかなと想像しています。

 

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本書を読んで、歯科衛生士という仕事をもっと多くの人に認知してもらって、歯科衛生士になりたいと思う若者が増えるよう、私も、もっと何かしないといけないなと思いました。また、将来的にベーシックインカムが実現するのかは分かりませんが、さまざまな人々が考え、議論をするというのは大事だなと思います。

 

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