今回は、「フラットランド―二次元の世界から多次元の冒険へ」(2016年)を読みました。
二次元の世界に住む正方形が主人公なのですが、すごく面白かったので、まとめたいと思います。

主人公の暮らす二次元の世界、フラットランドは、要は紙の上の世界です。なぜか女性は直線(棒)で、点か、もしくは線に見えます。男性は三角形から多角形がおり、同じ長さで画数が多いほど、弁護士などの高等な仕事についており、円になると聖職者です。とは言え、二次元の世界では、線にしか見えないため、目で角の影を見たり、触れることで相手の図形を確かめます。長さと明るさで世の中を判断する世界となっています。二辺の長さが同じ二等辺三角形は兵士か低位労働者であり、全ての辺の長さが同じではない者は、不正規図形と呼ばれて迫害されているようでした。
フラットランドの仕組みや法律、暮らしぶりなど詳しく説明されていて、そこだけでもとても面白いです。

そしてある日、主人公は夢の中で「ラインランド」に行きます。ラインランドでは、すべての存在が線、もしくは点であり、その中の一番長い線(フラットランドでの女性)に話しかけると、なんと、その世界の王様(男性)だと言うのです。そして、自分は正方形で角があるというのをいくら説明しようとしても、全く伝わりません。ラインランドの住人は、動きも視界も1本の直線状に限られており、全員が点にしか見えません。声によって性別や年齢を判別しているということでした。

夢から覚めると、主人公もとに三次元の世界から来た来訪者、完全な球体スフィアが現れます。球体は主人公に「高さ」を説明しようとしますが、主人公にはなぜ来訪者が目の前に現れたり消えたりするのか理解できません。スフィアに高さのある世界(紙の外)にやっと引っ張り出してもらい、三次元の世界(スペースランド)から二次元の世界(フラットランド)を見ることで、ようやく「高さ」を理解します。
ところが、元の世界に戻ってしまうと、だんだん記憶がはっきりしなくなり、平面に立体を描くこともできず、イメージもできなくなっていってしまいます。
主人公は、また夢の世界でスフィアに会います。そして、次元のない世界(ポイントランド)へ行きます。ポイントランドでは「点」が何やら独り言を言っており、話しかけても全く聞こえない様子です。彼らにとっては自身が唯一で完全な存在であり、何もない状態だとスフィアが説明してくれました。
主人公はスフィアに、四次元の世界にも連れて行って欲しいと頼みますが、スフィアは「そんなものはない」と答えます。でも、主人公と一緒に多次元を旅してきた私は、「そんなはずはない!見えないだけだ!」と言わずにおれませんでした。
次元の違いというのがどのようなものなのか、それぞれの世界ではどう見えるのか、それぞれの世界での価値観や見えている範囲というものが良くわかる内容で、すごく心に残る本でした。
横から見たら線や点に見えるというなら、高さがあるってことじゃん?とか、ラインランドでは隣の人以外見えないのでは?などと、あまり考え過ぎないで読んだほうが楽しめると思いますよ(笑)
