今回は、「かわいそうな歴史の国の中国人〈新装版〉」(2020年)を読みました。
過去記事「中国人の内側と外側」で中国人のタテとヨコのつながりについて学びましたが、本書を読んで、中国人(漢人)の行動パターンが歴史的にどのように形成されたのかよく分かりましたのでまとめたいと思います。
過去記事「朝鮮史の嘘」でもあったように、シナ大陸はさまざまな民族に支配されてきた歴史があります。
秦の始皇帝が統一した後は、漢王朝ができ、後漢に黄巾の乱で滅亡した後は三国時代ですね。隋や唐は北方の遊牧民族が建てた国で、 元帝国はモンゴル人、 清朝は満洲人によって建国されています。
そこで問題になるのが言葉です。シナ大陸には、話し言葉としての共通語を持とうという考えが20世紀までなかったそうです。異民族が意思疎通するためには、「漢字」が必要であった一方、主語・述語・目的語などのような並べ方に一定の規則もなく、文法もない漢文は、文脈がわからないと正しく読むことはできませんでした。抽象的な形容詞や副詞もたいへん少ないため、中国人は昔から、自分の気持ちを表す言葉を持っていなかったということです。
このことは、すなわち、「本音」という考えがないということにつながります。日本人は本音で腹を割って話し合えば分かり合えると考えますが、言葉では伝わらず、文字でも表せなかった中国人に本音というのはありません。その場その場で自分に一番メリットがあることを言うので、多重人格だとさえ言われてしまうのです。
中国人の言動はすべて「指桑罵槐」、批判したい相手を面と向かって罵らず、後ろを向いて別のところに向かって大声を上げているフリをするということを知っておく必要があります。中国人の言うことを決してそのまま本当だと受け取ってはいけません。
1982年の歴史教科書問題(「『中国を侵略』と記述されていた教科書を、文部省が『進出』に書き改めさせた」と朝日新聞が報じた)の時も、中国は「日本が軍国主義化している」と猛抗議してきました。しかし、実は当時、中国の最高実力者だった鄧小平が、人民解放軍の軍事費を削ろうとしており、軍事費を減らされたくない軍が鄧小平自身を直接叩くのではなく、鄧小平と良好な関係を保っていた日本を批判したのだそうです。
中国人は、中国の国内と外国とを問わず、言葉の通じない、習慣も考え方も違う相手と交渉をする場合、相手がどれくらいのものを持っていて、何を考え、何をしようとしているかわからないから、まず自分の最大限の要求をします。日本人は一歩退くのではなく、強く言い返さなければならなかったということでした。
中国にある八大方言の中でも漢字で書けるのは、北京方言と広東方言だけです。それでも、話し言葉の中には文字にできないものもあるそうです。そのため、中国で仲間というと、同じ言葉を使い、話の通じる人たちのことを言います。特に家族、血縁ですね。

そして、中国での宴会というのは、仲間を裏切っていないことを証明するために行われます。なのでもし酔ってクダを巻いたり、酔い潰れてしまったら、次の宴会からは呼ばれずに、仲間から外されてしまうそうです。
- マイペースで飲む(手酌を含む)
- 酔っ払う
- 真面目な話をする
これらは中国の宴会ではタブーだそうですよ。
シナ大陸では歴史上、国が保護してくれるような時代はほとんどありませんでした。なので、先祖を同じくする、姓が同じ同族たちの間でまず助け合わないと生きていけなかったのです。
中国では夫婦別姓ですが、お嫁に来た女の人は「死ぬまで同族ではない」ということを表すために、別姓のままなのだそうです。一族に争いが起きた場合、女性は地位が低いということもあって、自分の身を守るために、自分が生きていくだけの資産や、何か起こった場合の取引材料を持たなくてはなりません。そのため、夫は常に妻に財産を掠め取られる心配もしなくてはならず、夫婦であってもお互いに信用できないということでした。

先述したように、「自分をさらけ出す」「本音を話す」という考えが全くないので、個人個人がその都度、人間関係の距離を測りながら生きています。中国人と友人になりたければ、いざというときに利用できる地位やお金を持っているか、隠れたコネや実力がありそうだと思わせ続けなければいけないということでした。
本書の中で、中国の国土の64%が少数民族の自治区であり、中国の発展の源である天然資源もそのような自治区から採掘されていること、漢族をその土地に住ませて乗っ取ろうとしており、暴動や虐殺が起こっていることも知りました。
そして、本書を読んで「言葉」がいかに重要かを学びました。「話せば分かり合える」というのは、豊かな日本語を持つ日本人だからできることであり、日本人に接する感覚で中国人と関わってはいけないのだとよく分かりました。中国人はやたらと大きな声で主張するけど、「違うことは違う」としっかり反論しなければいけない、これは覚えておきたいです。
