歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

いきだねぇ〜

今回は、九鬼周造「いきの構造」 ビギナーズ 日本の思想(2014年)を読みました。

 

 

『いきの構造』は1926(大正15)年に哲学者の九鬼 周造がフランスで、しかもフランス語で草稿を完成させた論文になります。九鬼はジャン・ポール・サルトルにフランス語を習い、ドイツではハイデッガーから現象学を直接学んだという、ものすごい経歴の持ち主です。本書では生い立ちも紹介されていますが、裕福でも複雑な家庭環境に育ったようです。面白いなと思った、当時の「いき」についてまとめたいと思います。

 

 

「いき」の要素

 

「いき」は「媚態」「意気地」「諦め」の三つの要素から成り立っていると説明されています。一つ目の 「媚態」は、異性に対する「媚態」であり、異性との不安定な、緊張した関係を表します。つかず、離れずでどうなるかわからないという不安定さを維持することが、「色っぽさ」にもなります。

「いき」の第二の要素は「意気」すなわち「意気地」です。これは、江戸っ子の気概が要となっていて、江戸前らしい張りきり、勇ましさがあります。吉原の遊女が野暮な客に対しては金持ちであろうと「吉原の恥、吉原の名折れ」とはねつけるというのも「意気地」であり、自分への誇りが垣間見えます。

最後の「諦め」は、運命というものを心得て執着心を捨て、無関心に徹するありかたのことです。「いき」というのは、「苦界」(遊女のつらい境遇)から生まれたのであり、そうした試練をのりこえることによって、すっきりと垢抜けした心、未練を断ち切った、スマートな心に達することが求められるのでだということでした。

 

「いき」は武士道の理想主義と仏教の脱俗性に対し密接な内的関係がある。運命によって「諦め」を受け入れた「媚態」が「意気地」によって自由を生き抜くのが「いき」ということである

 

 

「いき」な縞模様

 

本書では、芸術、姿勢や体の動かし方、言葉遣い、髪型など、様々な「いき」なものについて考察していますが、特に面白かったのが「いき」な縞模様です。

平行線は「いき」の基本である媚態の「つかず離れず」という二元性をよくあらわしていると述べられています。また、横縞よりも縦縞の方が「いき」なのだそうです。

しかし、横縞は絶対に「いき」ではないのかというと、そうでもないそうで、縦縞を帯で横切る時の横縞や、スリムな体格の女性が着る横縞は「いき」になります。また、みんなが縦縞ばかりを着ている場合、レアな横縞がかえって「いき」になることもあります。なんか、これは分かる気がしますね。

 

さらに、「いき」であるためには、縞が適当に粗く、単純で、二元性がはっきりと見てとれることが大切で、線が細かい千筋、万筋や子持ち縞(太い線に沿って細い線が平行する縞模様)、やたら縞(筋の太さや色などが不規則な縞模様)、さらに複雑な模様では「いき」にはならないということでした。

すごく面白いなとおもいました。

 

 

まとめ

 

「いき」というのは、今の言葉で言うと「イケてる」とか「おしゃれ」でしょうか。本書を読んでわかったのは、ぽっちゃりさんはボーダーの服は着るなということです(笑)私はもう、ボーダーもストライプも怖くて着れませんwww

当時の「いき」な仕草や言葉遣い、服装を真似してみるのも楽しいかもしれませんね。