今回は、「任せるコツ」(2023年)を読みました。
私自身は何かの「長」になったこともないし、仕事を振るという経験はないのですが、仕事を振られた経験は沢山あります。その時にモヤモヤしていたものが本書には全部書かれていて、とてもスッキリしたので、まとめたいと思います。
誰かに仕事を任せる時、誰に頼むかは悩むところだと思います。頼まれる側としては、ごちゃごちゃと理由を重ねて頼まれるのもモヤモヤするし、もっと適した人がいるんじゃない?と思う案件や、(誰でもいいから)誰かやってくれませんか?という振り方も不快なものです。そして、仕事が早い人や断れない人のところに仕事が振られてパンクするなんてことも多くうんざりしますし、誰もが同じようにできなければいけないという振り方も違うんじゃないかと思っていました。

本書では、「優秀か優秀じゃないか」よりも「向いているか向いてないか」、もっと言えば「相手がやる気になるか」という基準でアサインをしていく必要があると述べます。さらに、「不得意なことこそやらせて、克服させるのがマネジメントじゃないか」という意見を否定し、短所を改善するより強みにフォーカスしたほうが得策だということでした。適材適所、人は誰も得意不得意がありますよね。
私も全く同意見です。世の「上司」は全員、目を皿にして読んで欲しいです(笑)
そして、どう頼むかも重要になります。「学生キャバクラ理論」が分かりやすいと思ったのですが、「キャバクラで働く人が昼に大学で勉強している」と聞くと、「それは偉い」と感心する人が多く、「大学生が夜にキャバクラで働いている」と聞くと、「それはけしからん!」と叱る人が多いという話です。つまり、伝える順番が大事だということです。〈やってみよう〉と思ってもらう意欲を、依頼する側がつくりだすため、「感謝される」「褒められる」「自分しかできない特別感」の3つを最初に伝えます。
そして、目的の明確化を必ず行います。作業内容を伝えるだけではなく、その意図や意義を伝えるということですね。これは、私も歯科衛生学生向けの授業では、毎回かなり意識していました。何のために学ぶのかをはっきりさせると、よく話を聞いてくれ、試験勉強もちゃんとするし、授業評価も高くなるんです。過去記事「具体化の実践」ではないですが、授業の到達目標をただ読み上げるのではなく、実習の〇〇でや、歯科衛生士として働く時に、と具体的に話すのもポイントだと思います。
そして、仕事を頼む時は、相手の余力に配慮して、断ることができる余白を残すのも大切です。相手の忙しさを確認もせず、命令として押し付けるなんて、もってのほかですね。「メンバーの成長を促し、満足感と達成感を与えて幸せにする」という意図で「任せる」ことが大切で、メンバーの健康管理は最重要担務と考える必要があると著者さんは述べます。
日常的に1on1などで「三談論法の法則」(雑談・冗談→相談)を使って、メンバーの「この先どんな仕事がしたいか」「2~3年後どうなりたいか」「長期の目標は?」といったことから、「業務上の悩みや不安」を聞き出しておくと良いのですが、ポイントは傾聴に徹することです。

また、一度任せたら任せきることも大切です。口出しはNGで、安全に失敗させるのも役割ですし、「がんばろう」と思っている人に外発的要因(「出世にいい影響があるよ」など)を与えるのも「アンダーマイニング効果」となりやる気を削ぐ恐れがあります。さらに、「フィードバック」「感謝」「評価」を行うのもマネージャーの役割になります。
仕事を正しく丸投げできれば、メンバーがぐんぐん育っていきます。ビジネスの場での成長は、正しい人が(Person)、正しい場所で(Place)、十分に準備された状態で(Prepare)、適度なプレッシャーのもとで(Pressure)起こるということだそうです。これは、一人ひとりの状況をよく見て、話を聞いて、常に気を配っていなければできないことですね。「丸投げ」とは言いながら、全てを手放す訳ではないということがよく分かります。
理想論かも知れませんが、チームメンバーを大切に思い、成長と幸せを本気で考える誠実で真摯な姿勢が、何より大切と強く信じています。
つまり、究極、最後は<愛>なんだと思います。
これを読んで、激しい同意以外ありません!
職場には色々な価値観を持った人がいて、それぞれ得意なこと、苦手なことがあって、どんな人生を送りたいのかはそれぞれ違うし、同じ人でも時の流れとともに変化していくものですよね。本書を読んで、私のモヤモヤは自分を、メンバー一人ひとりを見てくれてない、そこに<愛>を全く感じられないということだったんだなと分かりました。一緒に働くなら、<愛>のある人と働きたいですよね。
