今回は、「世界のニュースを日本人は何も知らない5 - なんでもありの時代に暴れまわる人々 -」(2023年)を読みました。
本書のシリーズは過去記事「世界のニュースを知る」でも取り上げていて、毎回毎回、本当に面白いです。
今回は、行き過ぎたポリコレやルッキズムなど、日本にいては分からない事情を知ることができました。特に本書で取り上げられている日本とイギリスの教育が、過去記事「作文教育から見える各国が求める人材」で学んだ各国の教育の特徴をよく表していると思ったのでまとめたいと思います。
イギリスの先生らはごく一部を除きビジネスライクで、(中略)自分の担当以外の仕事は一切しないし、時間になればさっと帰ってしまいます。嫌いな子どもには話しかけないし、怒るときは小学生に対しても軍隊口調で怒鳴りつけます。
全員ではないと思いますが、日本の先生は基本親切で、子供たちを家族のように扱ってくれたのだそうです。
また、
イギリスは日本の幼稚園年長組に当たる年齢から全国統一試験があって、偏差値がガッツリと出てきます。(中略)しかも資源は優秀な層に配分し、見込みがないもの、ダメな地域や学校は予算をどんどん減らすのが日常的だというのです。
学校の先生たちも、私立の小・中・高校で実績を出して転職し、給料を交渉するのが一般的だそうで、成績が芳しくない生徒の押し付け合いをしたり、欧米企業さながら、試験成績の悪い学生の様々な証拠を積み上げ、遠回しに退学を勧めたりしてくるそうです。さすが、合理主義ですね。親も何も言わないということで、落ちこぼれを排除するというのが当たり前の世界なんだなと思いました。
クラス内では人種や親の職業で派閥ができてしまっており、〇〇ちゃんを誕生会に招いた招かないでいじめが横行しています。暴力的ないじめもあります。
日本では、子どもたちも皆仲が良く、みんなで親切にし合っていて全体が友だちのような雰囲気なので、イギリス教育しか受けていない子は驚くのだそうです。
虫や爬虫類を発見すると、踏み潰して殺したり、いたぶって遊んだりする子どもが多くいます。
これは、まさに過去記事「作文教育から見える各国が求める人材」の虫や無機物の気持ちになるという日本の共感教育のたまものではないかと思いました。赤ちゃんのうちから、「虫さんがイタイって泣いてるよ」なんて日本では当たり前に言いますよね。男子が虫などをいじめていると、女子が注意するなんて姿が目に浮かびます。これって、日本独自の文化なんだと改めて驚いたし、 森羅万象に八百万の神々が宿る、お天道様が見ているといった土着信仰に根付いているんだなと思いました。

イギリスの子どもらは裕福な家の子でも、ゴミを床や道に投げ捨て、並ぶべきところできちんと並ばず、人を押しのけ、私語だらけで大騒ぎし、気をまったく遣わず、意地悪をし、トイレや劇場を汚しまくり、食べ物を床に投げて足で踏み潰し、カーペットになすりつける。こうして大人の使用人に掃除させます。また学校では備品を投げつけたり壊したりするのを堂々とやります。
こんな子ども、嫌です…(涙)日本に生まれて良かった、日本で子育てできて良かったとこれを読んで思いました。
大人の「使用人」が片づけるのを知っているからわざとやるのです。
日本人なら、掃除する人の気持ちを考えろ!と絶対に大人が怒りますよね。日本の教育が完璧だとは思いませんが、論理的で合理的な教育では育めない、人間として大切なことが欠けていると思ってしまいます。
遠足から帰ってきた5年生はバスから下車して点呼が終わるまで10分かかりませんでした。統制がまったくないイギリスやフランス、アメリカの子どもなら同じ行動に40分ほど要するはずです。
これは、 2024年1月2日に起きた羽田空港地上衝突事故を思わせますね。 JAL機の乗客367人と乗員12人の合わせて379人全員が脱出した事故ですが、「国際線外資系CAが伝えたい自由へ飛び立つ翼の育て方 当機は“自分らしい生き方”へのノンストップ直行便です」(2024年)でも、アメリカではこうはいかない、日本だから全員脱出できたんだとCAさん達で話していたそうです。
単なるいじめだけではなく、命に関わるような暴力、性犯罪、虐待なども起きています。学校側は管理不行き届きや責任を認めたくないために被害者泣き寝入りがたいへん多く、親は子どもを転校させることも少なくありません。アメリカでは最悪の場合、銃や薬物が登場するので、子どもの命を守るのに気苦労が多いのです。
日本は安全な国だと言われますが、学校でも命の危険があるなんて、恐ろしいです。

また、欧米はホームパーティをよくするというイメージがありますが、著者さんによると、
相手が自分の派閥の仲間かどうかを確認するため同調圧力全開で行う恐怖の儀式なのです。
だ、そうです。
このホムパの意味にもっとも近いものは任侠社会の〝兄弟の盃〟です。
とまで言っており、小学生のいじめの延長がホームパーティになるという訳ですね…。
ママ友のマウントなんて、可愛く思えてしまいますし、世界中、どこでも、大人になってもいじめはあるんだなと思いました。
過去記事「作文教育から見える各国が求める人材」の時にも思いましたが、日本の「共感教育」ってすごく大事なんじゃないかなと改めて思いました。できない人は切り捨てるという考え方は私自身大嫌いですし、「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズでも、「失敗の科学」でも否定されている訳です。
一人ひとりに親切で、優しく、お互いにお互いを信頼し、大切にできる関係性を築いていきたいし、そのような日本人の大切なものを失ってはいけないと強く思いました。

