歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

生成AIで変わる未来

今回は、生成AIで世界はこう変わる(2024年)を読みました。

 

 

AIの進化に伴いなくなる職業というのが、ちょっと前とは全く異なるというのを知り、とても驚いたので、整理しておきたいと思います。

 

 

2010年代のAIによる労働の影響

 

「特別なスキルを必要としない賃金が低い仕事であるほど、コンピュータ/AIによる自動化の影響を受ける可能性が高い」

と言われていたのは、2013年に発表された、オックスフォード大学のカール・フレイとマイケル・オズボーンによる世界的に有名な論文「雇用の未来」や2019年に出版された、同じくカール・フレイによる書籍『テクノロジーの世界経済史』が元になっています。私も、今でもそうなのだと思っていたら、数年の間にガラリと事情が変わったようです!

 

 

当時、影響を受けにくいとされた職業は、全体的に高度な判断力や創造性、数理的な思考、人との感情を重視した対話を必要とする傾向があり、歯科衛生士を含めた医療系専門職がズラリと並んでいました。一方で、影響を受けやすいとされた職業は、データ入力や保険業など作業の内容がほとんど決まっており、作業内容に変化が生じにくいもので、全職業のうち47%が機械化の影響を受けるだろうと言われていたということでした。

 

 

2020年代に入ってからのAIによる労働の影響

 

ところが、生成AIが登場した2023年現在に広く共有されている主張は高学歴で高いスキルを身につけている者が就くような賃金が高い仕事であるほど、コンピュータ/AIによる自動化の影響を受ける可能性が高い。ただし、本当に習得に時間がかかる高度なスキルが必要とされる職業に関してはその限りではない」となっています。

影響を受けにくいとされる職業は、ほとんどが手足を動かす肉体労働を行う、 皿洗いや清掃員といった、いわゆるブルーカラーと呼ばれる職種です。一方、影響を受けやすいとされる職業は、エンジニアや研究者、デザイナーなど、高度な判断力や創造的な思考が必要とされるもの、いわゆるホワイトカラーと呼ばれる職種だそうです。薬剤師や弁護士への影響は限定的になるようですが、今やChat GPT(GPT-4)はすでに医師国家試験や司法試験に合格できるレベルに達しているということでした。「AI vs 教科書が読めない子どもたち」の東ロボくんとは次元が変わってきています。

 

 

AIによって、全職業の8割がなんらかの影響を受け、さらにその中の2割は、労働の半分がAIに完全に置き換えられるレベルの影響を受けると考えられているのだそうです。この予想も数年で全く違う状況になっているかもしれませんので、注視しておかなければいけませんね。

 

 

ポランニーのパラドックス

 

「人は言葉で表現できる以上のことを知っている」というもので、それを「暗黙知」と言います。人間が言語で表現してプログラミングコードに落とし込むのが難しい動作は、そもそも機械化のしようがないということです。

機械学習ディープラーニングは、人間が作業をプログラミングするのではなく、データから自ら学習することにより、このような非定型作業の一部を可能としました。ポランニーのパラドックスは部分的には否定されましたが、今まで存在しなかった現象に対応したり、これまでにない価値のあるものを生み出すことはできないとされたのです。

ところが、生成AIはこれをひっくり返してしまいました。生成AIは膨大なデータの中から、「過去の経験の中から、価値のある新しい組み合わせをみつけること」ができるようになってしまったのです。

 

 

モラベックのパラドックス

 

AIにとって、人間がよく考えて行う高度な作業は簡単だが、人間が特に何も考えずに簡単にこなしていることは難しいというものです。例えば、プログラミングのコードを書くは得意なので、今や中学生でもアプリ開発が可能になっていますし、チェスや将棋ではだいぶ前からプロにも負けませんよね。一方、服をたたむとかスキップするといった単純だけど肉体を使う作業は、AIにとっては大変困難なのだそうです。

これが、肉体労働が代替できないという予測につながるわけです。

 

 

まとめ

 

著者さんの研究室で行なっているのが、AIに研究させるという研究だそうです。もう、数年で何が起こるかわからない時代になってしまったんだなと改めて思いました。

Copilot(GPT-4)に歯科衛生士のAIの影響の受けやすさ(最大値は1)を聞いたら、0.4という回答が返ってきました。本書によると、銀行窓口やカスタマーサービスが0.25、電気工や理髪師が0.46、グラフィックデザイナーが0.78なので、AIに仕事を奪われることをひどく心配する必要はなさそうで、一安心です。うまく生成AIと付き合っていきたいですね。