今回は、「なぜ星付きシェフの僕がサイゼリヤでバイトするのか? 偏差値37のバカが見つけた必勝法」(2020年)を読みました。
最初は、著者さんの「危機感」が強くストイック過ぎて、そんな人生は苦しいよ〜と思いながら読んでいたのですが、よく考えると、私も災害対策は(周りの人からは引かれるけど)同じような心意気でやってたなと思い、読み進めながらどんどん著者さんの生き方に惹かれていきました。
学んだこと、参考になったことをまとめたいと思います。
著者さんは、強烈な危機感を持つことが必要で、それを突きつけられた時にこそ強烈な生命力がみなぎってくると述べます。京都の一流料亭で厳しい指導に耐え抜き超速で成長したから、イタリアの三ツ星レストランで副料理長に就任したそうです。
サバンナ思考=危機感×気づき×即行動
そして、このサバンナ思考の一番の敵がウエイト&ストップ思考になります。飲食業界にある「長時間労働」と「低賃金」というのが当たり前という思考停止状態に陥ってしまい、著者さんもその固定観念に縛られてスタッフがどんどん辞めていった時期があるそうですが、
「本当に、それであなたは幸せになれますか?」
「本当に、みんなは幸せになれますか?」
「本当に、稼ぐことができますか?」
という問いを自分にすることでウエイト&ストップ思考から抜け出すことができるのだということでした。
いつライオンに食われるか分からないサバンナでは、のんびり成長している時間はありません。著者さんは独自の「マヨネーズ理論」をもとに爆速で一流を目指しました。マヨネーズ理論とは、すごい人のやり方を丸パクリして最速最短で成長するメソッドだそうです。

剣道や茶道などでは「守破離」というものがありますが、著者さんも超一流の料理人を徹底的に完コピして、一体化してしまうほど観察し、「無」になるのだそうです。そして、色々な「マヨネーズ」を手に入れ、必要に応じて取り出し、組み合わせながら使っていくのだということでした。
そのようにして爆速で成長してきた著者さんですが、日本に帰ってきてレストランを開くもうまくいきません。「黙ってオレの言うことを聞いていればいいんだ」的な考えに支配されて、自分もスタッフも幸せにできていないことに気付いたそうです。それを打破したのが、サイゼリヤでのバイトでした。

著者さんは、ちゃんと経歴を伝えてバイトを始めたそうで、星付きシェフがバイトに来る!?とザワついたようですが(笑)、そこで課題だった生産性と仕組化について学びます。ツールの置き場所や料理をスムーズに提供する動線など計算されつくされており、仕組やマネジメントのレベルがけた違いで、スタッフ間の上下関係はなく、皆和気あいあいと働いているのを目の当たりにします。著者さんは、働きやすい職場とはこういうものなんだ、と感動のあまり涙ぐんでしまったそうです。
そして、サイゼリヤをヒントに、自分のレストランでも改革を行います。試行錯誤の末、人時生産性が3.7倍になり、スタッフも自分で考え、行動するようになります。人間関係もフラットになり、コミュニケーションが密で楽しいチームが出来上がりました。
人時生産性=お店が1日で生み出す粗利益÷その日に働いた従業員の総労働時間
チームメンバーだけでなく著者さん自身も、月でレストランを開くという夢をどんどん自分に引き寄せていっているとのことでした。
著者さんの「僕は称号(星の数)よりも、スタッフの幸せを追求していきます。」という言葉がとてもいいなと思ったし、やっぱり過去記事「サイゼリヤ哲学」でも学んだように「利他」がこの世の真理なんだろうなと思います。
私も災害対策に関してはサバンナ思考を持っていると思います。しかし、日常の生活の中でとなると、そこまでの危機感は私にはないな(笑)と思ったし、そこまでの危機感がなければ、イタリアに行って三ツ星レストランで働こうとは思わないよなと思いました。著者さんは読書家でもあり、ウォーレン・バフェット、本田 宗一郎、松下幸之助、そしてサイゼリヤ会長の正垣 泰彦の本は何度も何度も読んだそうです。本好きに悪い人はいませんね!そして、巻末に掲載されている著者さんと正垣 泰彦氏との対談、、、会話がかみ合っていなくて面白かったです。
