今回は、「日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学」(2018年)を読んで、体臭、口臭について学びました。
赤ちゃん:母乳やミルクの甘いにおい。母乳栄養の赤ちゃんの便はすっぱいにおい。
小学生:エクリン汗腺からの汗が主で、あまりにおわないが、放置するとツンとしたにおいになる。
思春期:アポクリン汗腺の活動とともに、汗の分泌が増え、体臭に個性が出てくる。皮脂の量も増えてにおいやすくなり、男子運動部は強烈なにおいになる。
30代:皮脂分泌量がピークになる。頭の皮脂腺から分泌される皮脂の酸化によって発生するペラルゴン酸やジアセチルなどが、ミドルエイジ特有の強烈なにおいを作り出す。
40代以降:30代のにおいに、ややカビ臭いとも感じられる加齢臭が加わる。
60代以降:老人臭の始まり。腸内環境の悪化によって、腸内細菌から分泌されたアンモニアが血液中に吸収され、肝・腎機能の衰えから処理しきれずにあふれると、汗に混ざってアンモニア臭がする。
外国人からすると、日本人の「口臭」が残念なのだそうです。先進国の中でも日本人の口腔ケアに対する意識はかなり遅れていると指摘されており、日常的にキスやハグをしたりといった他人と密に接することの少ない文化にあるのではないかと述べられていました。また、国民皆保険による「予防」概念の少なさから、フロスなどを用いた歯間ケアを行っていないことも原因として考えられます。

口臭の8割が口腔内環境に問題があります。口腔ケアが十分でない場合や、唾液分泌が減ってしまうと、口腔内細菌が増えすぎて悪臭を放ちます。むし歯が多い人の臭い、歯周病の人の臭いは独特で、歯科衛生士には分かります。本書には、歯みがきの方法が細かく書かれていましたが、文字だけでは分かり辛いですね。一人ひとり頬の柔らかさや口の大きさ、歯並びなど違うので、個別に指導を受けられる定期歯科健診を受ける方が良いと思いました。
また、ストレスや口呼吸、喫煙も口臭を悪化させる要因なので、注意したいですね。
体臭が全くない人はこの世にいませんが、「腐った卵」「腐った玉ねぎ」「腐った魚」「アンモニア」の臭いなどがした時は要注意だそうです。糖尿病やメタボリックシンドロームの人は、脂肪肝により肝機能の低下が見られます。すると、臭い分子を解毒しにくくなり上記のような臭いが口臭や体臭として現れるそうです。

血糖コントロールがかなり悪い人は、ケトン臭という独特の甘酸っぱい匂いがしますし、中性脂肪が高い人は皮脂の分泌が多くなり、酸化して悪臭化します。食物繊維の摂取が少ないと、腸内環境が悪化してにおいの原因となり、タンパク質が消化不良になると、腸内で有害物質である臭い物質が発生します。焼肉の翌日のおならは臭いといいますよね。
運動不足により、汗をかく習慣のない人は老廃物やミネラルを多く含むべたべた汗となり、常在菌が増えやすく、においを発生しやすくなります。ストレスや不規則な生活習慣、慢性的な疲労は、加齢臭のような「ストレス臭」やアンモニア臭のような「疲労臭」を出してしまうそうです。
病気ではありませんが、足は常在菌の餌となる角質が分厚く、体幹の5倍以上の汗をかくため臭いやすい部位です。汗をかくためにも、入浴して、毎日しっかり洗い流したいです。 足臭は世界三大臭いチーズの一つである、ウォッシュチーズのような臭いになるそうです。なかなか自分の臭いは自分では分からないので、家族や仲の良い友人などから教えてもらえるよう、頼んでおくと良いかもしれないですね。
本書の中で、面白いなと思ったのが、ローマ人とゲルマン人の話です。私の大好きな映画「テルマエ・ロマエ」で描かれているように、ローマ人はお風呂が大好きでした。
入浴後には、たっぷりの香油や香膏を体に塗り、部屋や衣類にも香料で香りをつけていたそうです。

しかし、ゲルマン人にローマ帝国が滅ぼされると、香料や入浴文化は廃れてしまいます。ゲルマン人は小川で汗を流し、古いバターで髪をなでつけていたそうで、著者さんも、”ヨーロッパのにおいの歴史はいったんお休み”と書かれていたのには笑ってしまいました。
いいにおい…ではなさそうですね(笑)
本書では、「体臭」や「口臭」をコントロールする方法について、かなり詳しく書かれていますし、香水などのマスキングについても説明されています。清潔すぎ、洗い過ぎも良くないということで、やっぱり、健康的な食生活が一番いいのかなと思いました。うちは、母がにおいに敏感で、香水は嫌がるし、臭いの強いハンドクリームも苦手なので、あまりにおいのあるものは持っていないのですが、自分がリラックスできる好きなにおいは探していきたいなと思いました。

