今回は、「〔完全版〕生きがいの創造 スピリチュアルな科学研究から読み解く人生のしくみ」(2012年)を読みました。
本書は退行催眠で見た過去生などのスピリチュアル研究について書かれていて、それも私にはとても興味深いのですが、本書の趣旨である「生きがいの創造」としてスピリチュアルを信じるという生き方はどうですか?という考え方が良いなと思ったので、整理したいと思います。
退行(トランスパーソナル)誘導には5つのレベルがあるそうです。
レベル1:イメージはぼんやりしていて、その場面に関連する予感や、胸騒ぎ、直観といったものがあるだけ。
レベル2:イメージは鮮明だが、過去生の特定人物の肉体に気持ちが入り込むことはなく、「その場面を漂っているような感じ」がする。
レベル3:映画を見ているような状態。時間を自由自在に移動し、詳しく物語ることができる。
レベル4:当人になりきっている。人名、地名、日付などが、すらすらと口からでてくる。
レベル5:方言、アクセント、喋り方の癖、珍しい言い回しなどがはっきりと現れ、外国語を話し始めるクライアントもいる。過去の自分の心で、すべてのことを考える。
深く良好な催眠状態に入ることに成功すれば、受診者は過去世の死後の世界で、光の存在(神や仏様の場合もある)に出会います。そして、催眠状態の中で、光の存在から人生のアドバイスをもらうことができます。

なぜ生まれてきたのか、今世の人生の目的、生まれ変わりなど、数々の退行催眠で現れた光の存在が教えてくれています。光の存在というのは、アニータさんも感じた「無限の存在」のことだと思います。
そして、それらの証言から分かったのは、
- 自分の人生を自分で決めて生まれてくる
- 自分が乗り越えられる試練を計画している
- この世は修行の場である
- 愛を知り、成長することが目的である
などです。ソウルメイトなど、いつも一緒に生まれて協力しながら学んでいる魂もあるようです。これは、アニータさんが言われていることとも、江原さんが言われていることと同じだなと思いました。
とは言え、本書では生まれ変わりを信じろとか、スピリチュアルを信じろとか、否定論者は間違っているといった主張は一切ありません。
まずは、スピリチュアルな仮説、特に「死後の生命」や「生まれ変わり」の研究というのは否定論者に対する絶対的な優位性を持っていることを説明します。
- 「死後の生命は存在しない」ことは永遠に実証できない
- 死後にも意識があった場合、否定論者は自分の誤りを知るが、死後に意識がない場合、肯定論者は自分の誤りを知ることはない
確かにそうですね。

そして、スピリチュアルな仮説について認めるか認めないかは別にして、個人的な価値観として活用しながら生活するほうが、心理的にさまざまな利点があるとエビデンスをもとに説明していきます。
「生きがい」とは「より価値ある人生を創造しようとする意志」であり、スピリチュアルな仮説を信じた人の方が人生を前向きに頑張れて幸せになれるよねということです。
本書を読んで、光や存在からの言葉で特に印象深かったのは、「人生は予定通り、順調」という言葉です。愛する人との死別、病気、離婚、などなど人生に起こる不幸の全てが自分の学びのための試練であり、自分で決めて生まれてきているということです。
また、一応言っておくと、この考え方はカルヴァン思想の「予定説」とはちょっと違います。自分で試練を計画したのだけれど、乗り越えられないということだってあります。その時は、もう一度自分の試練を計画し直してこの世に生まれてくるだけです。目の前の困難に逃げ続けても、乗り越えるまでどこまでもついてくるということですね。
私は以前から「我が人生悔いなし!」と言って死にたいと思っていましたが、この世の修行を終えて、自分の人生を振り返る時、ちゃんと予定通りの苦難を経験し、それを乗り越えることができたと光の存在に報告できるよう、生きていきたいなと思いました。
本書を読んで、自分の過去世にますます興味が湧きましたが、自分の性別が違うとか、現世の親が自分の子供や恋人になっているとか、全然イメージできませんでした。機会があれば、(予定通りに)退行催眠も受けてみたいとは思いますが、まずは過去記事「エゴと今ここの瞬間」で書いたように今を生きることが大切なんじゃないかなと思います。
いつか光の存在にお会いするのを楽しみにして、その時に良い報告ができるよう、今を一生懸命生きていきたいなと思いました。
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