今回は、「人生を変える「質問力」の教え」(2019年)を読みました。
新人弁護士さんの成長物語として話は進んでいくのですが、質問の力や悪用への注意点についてとてもよくまとまった内容で、デール・カーネギーの「人を動かす」よりも分かりやすくて、とても勉強になりました。
また、私も離婚裁判で法廷での質問尋問を受けたことがあるので(笑)、現場がありありとイメージできて、読み物としてもとても面白かったです。本書を読んで、特に意識して出来るようになりたいと思った質問力についてまとめたいと思います。
- 思考を発生させる
- 思考の方向を限定する
- 答えを強制する
- 答えが相手を縛る
人は質問をされると反射的に、その質問に答えようとして思考してしまいます。例えば、何か失敗した人に『どうしてあなたはそんなにダメなの?』と質問すると、その人は自分がダメな理由を考えてしまいます。しかし、『次回うまくいくために、どこを改善したらいいと思う?』と質問すると、改善点を探し出そうとしますし、その答えは自分自身を縛ることになります。

自分に向けた質問でもこれらの力が働くことを意識して使えるようになれば、潜在能力を飛躍的に伸ばせますね。
逆に悪い質問は相手の自尊心を傷つけ、嫌な気持ちにさせます。
- 相手の気分が悪くなるような質問=ネガティブクエスチョンはしない
- 人に質問しておいて、その答えをすぐに否定するのはNG
- 質問の範囲が広すぎると、相手は何を答えていいのかわからなくなる
- 矢継ぎ早に質問すると、相手はプレッシャーに感じてしまう
- 『なぜ?』の質問は、相手を疲れさせるので繰り返しの使用は避ける
は、自分にも他人にも使わないようにしたいです。質問したら、相手が答えるまで待つ「クエスチョン・アンド・サイレンス」は鉄則だということでした。ボイスレコーダーで自分の会話を録音したり、スマホで動画を撮影したりして、他人に自分がどのように見えているのかを知るのは大事だなと思いました。
過去記事「営業テクニック_4つの壁」でもあったように、どのような業種においても信頼の壁を突破すること、相手から好かれることが人間関係を作る基本になります。
自分との共通点を見つける質問をする「類似性の法則」、質問の形で相手を褒める(そのかっこいいTシャツはどこで買ったの?など)、「好意の返報性(人は好意を持ってくれる相手には自分も好意を持つ)」を意識する、相手の話したい話をする(質問ブーメラン:聞かれたら、自分のことについて軽く答えてから、相手に同じ質問をする)といったことが効果的だということでした。

これらは意識していてもなかなか難しくて、特に私は褒めるのが下手なので質問の形で褒めるというのにチャレンジしていきたいなと思いました。
弁護士さんという仕事は法律知識をもとに依頼者の利益を守り紛争を解決するのがお仕事ですが、依頼者や相手方の行動を変えてもらわなければいけない場面もあります。そんな時の相手の行動を変える質問としては、
- 相手の自尊心を傷つけない、相手の意見を肯定する
- 相手の立場に立って、どうすれば相手が望む結果が得られるかを考える
- 自分から思いついて決断するように仕向ける
- 命令の代わりに質問する
- ポジティブクエスチョン
- ソクラテス式問答法(相手が答えた回答と、次に答える回答が矛盾するように巧妙に質問を組み立てる)
といったことが書かれていました。これらは、ほぼコーチングテクニックですね。
本書の中で主人公は、質問力を使って一時的には仕事も好調になるのですが、いつの間にか仕事でもプライベートでも上手くいかなくなります。依頼された仕事をしたのに依頼人から責められたり、同棲していた彼女が出て行ってしまったりと歯車がうまく回らなくなってしまいます。
そして彼が気づいたのは、「自分の欲望や自尊心を満たすためだけに質問力を使ってはいけない。人を動かすのは手段であって目的ではない。」ということです。

常にその質問は自分の為なのか、相手の為なのかを考えなければいけません。そして、自分の欲望や自尊心を満たすための発言ではなかったのか自分に問い続けることが大事なのではないかなと思いました。
良い質問というのは本書に書かれているようにスムーズには出てきませんよね。意識して、何度も何度も練習しなければ自分のものとして使えるようにはならないし、できるようになったからと言って自分の為に使おうとしていないか常にチェックする必要があるのだということが分かりました。まだまだ上手くできなくて、反省ばかりですが、意識して質問力を使っていきたいです。
