歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

老いるとは

今回は、 順天堂大学の老年医学に学ぶ 人はなぜ老いるのか 基礎から身に着く「大人の教養」(2022年)を読みました。

 

 

本書は、順天堂大学大学院のオンデマンド講義「医療・医学入門」を基に書き下ろされた本です。ATPとかミトコンドリアとかカタカナ語もたくさん出てくるのですが、歯科衛生士国家試験レベルの生化学は理解しているので、結構スイスイ入ってきて、とても勉強になりました。

老化や老化に伴う病気について学んだことをまとめたいと思います。

 

 

 

エントロピーとは、もともとは物理化学の定義ですが「無秩序」「乱雑さ」「混沌」の度合いを示す指標として熱力学、統計力学情報理論など様々な分野で使われます。元素や分子がバラバラと無秩序に存在する状態が「エントロピーが増大した」状態であり、例えば、氷を常温で放置すると水になり、さらに時間が経つと、水は蒸発し、空間に霧散するのをイメージすると分かりやすいと思います。

自然界における変化では「拡散する方向」に生じる、つまりエントロピーは増大していきます。

生物というのは、自らの増大するエントロピーを排尿や排便、呼吸や体温、さらに思索による廃熱(脳を使うこと)により低下させることで、大気や水などと循環させて生きています。つまり、老化というのは、増大するエントロピーを低下させることができなくなる現象とも言えます。

 

 

 

私たちの細胞の中にあるミトコンドリアATP(アデノシン三リン酸)を作り出す働きをします。私たちは食物を体に取り入れ消化吸収して、体の素材とエネルギーを産生しますが、全身の細胞の働きに使うことのできる化学的なエネルギー物質がATPです。

また、ミトコンドリアがエネルギー(ATP)を作り出す過程で代謝水」という水を作り出しています。成人で1日あたり約300~500mlにもなるそうです。加齢に伴い代謝水の生成が減少すると、細胞内の水分が減少し、肌の乾燥やシワが増え、細胞の代謝も悪くなります。細胞内の水分を保ち、老化を防ぐにはミトコンドリアが元気であることが重要だということです。

ミトコンドリアの機能が低下すると、ATPの生産効率が低下し、ATPと水が作られず、活性酸素と熱だけを産生する「アンカップリング」という現象が起こります。するとミトコンドリアはさらに傷み、結果的に体は消耗してしまいます。

 

 

無菌性の炎症反応

 

ミトコンドリアの機能不全が生み出した活性酸素は「無菌性の炎症反応」を起こします。シミ、シワなど見た目の老化やがん、糖尿病、関節リウマチなどの慢性炎症疾患、動脈硬化メタボリックシンドローム活性酸素が深く関与しているそうです。

過去記事「慢性炎症の恐怖」でも書いたように、お医者さんは「炎症」には目の色を変えて反応するんです。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

健康な人でも加齢とともに炎症の数値は上がりやすくなり、炎症反応の数値が高い人ほど死亡リスクが高くなるということが研究で分かっているそうです。本書では体のどこかで起きている慢性炎症を調べるために、定期健診で「高感度CRP」を調べることを勧めていました。

 

 

 

体をあまり動かさない生活をしていると、余分なエネルギーは脂肪として蓄えられます。健康な若い体では「皮下脂肪」に蓄えられますが、加齢とともに皮下脂肪の機能が低下すると、行き場を失った脂肪は肝臓や筋肉、骨髄や心臓の周りに蓄積するようになります。皮下脂肪以外の場所に蓄積した脂肪は、炎症性サイトカインを分泌して、全身の組織で炎症を起こしやすくなり、生活習慣病の原因になるということでした。

また、食事でとったブドウ糖は、インスリンによって筋細胞や脂肪組織、肝臓に取り込まれます。しかし、肝臓で貯蔵できるブドウ糖の量は成人が1日に必要な分しかないため、取り過ぎた糖は筋肉や皮下脂肪などにむりやり押し込もうとします。ところが、運動不足などで「もうこれ以上、糖を取り込めない」という状況になると、すい臓はインスリンを大量に出して、それでも組織に押し込もうとする争いを起こすのだそうです。これが、「高インスリン血症」です。

 

 

健康で長生きする秘訣

 

老化を防ぐには、運動認知・五感・コミュニケーションなどの精神活動をいくつになっても続けることが大事になります。女性の死亡原因となるがん第一位は「大腸がん」ですが、運動が大腸がんの発生を抑えることが分かっています。

また、カロリー制限や時折の断食を行う事でインスリンの作用を抑えることも重要だそうです。そうすることで、オートファジー(細胞の自食作用)が働き、細胞の老廃物(ごみ)を捨てることができます。

他にも腸内フローラを整えるような食事、歯科ではオーラルフレイル対策や歯周病の予防、欲やしがらみにこだわらないで無心・無欲で自己超越を達成する生き方などが勧められていました。

健康寿命の延伸には、「動く・楽しむ・人を喜ばせる」ことが大切だそうですよ。

 

 

まとめ

 

本書を読んで、やっぱり断食か~と思いました。何度も何度も断食が良いと学んでは、元の生活に戻っている気がします(笑)

 

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今のところ、朝食を抜いて16時間断食であればそこまで辛くなくできたので、もう一度、断食生活に挑戦してみようと思いました。

あ、もちろん、運動も続けて行きたいです!