以前、「ポジティブ心理学」について書いたことがありますが、今回は「ポジティブ心理学 科学的メンタル・ウェルネス入門」(2021年)で紹介されていたポジティブ心理学に関する研究がとても興味深かったので、学んだことをまとめたいと思います。
本書ではやたらとスターウォーズが出てきます(笑)。本書を読まれる方は、特にエピソード1~3を見てから読まれることをおススメします。
別々の環境で育った一卵性双生児の研究によると、お互いのことも知らないし環境が全く異なる中で生きてきたにもかかわらず、二人の好みや幸福感は非常によく似ていたそうです。

二人に共通するものは遺伝子以外に考えられません。そうなると、人の幸福がすべて遺伝子で決まるか?ということになりますが、影響は少なくないものの、すべてを遺伝のせいにするのは誤りであると述べます。
ポジティブ心理学的な個人の心理面への働きかけと社会科学的な面からの社会環境の改善の両方に取り組む必要性があるのだということでした。
この研究はノートルダム教育修道女会で行われた、もともとはアルツハイマー病に関する研究です。1930年代に18歳で入会応募した修道女たちの書類(自伝的作文)の内容を調査し、ポジティブ感情の度合いを分類しました。

すると、ポジティブ感情の高かった上位1/4のほうが低かった下位1/4よりも平均9.4年も長寿だったそうです。
修道院では、全ての修道女が同じ環境で、同じ食べ物を食べ、同じ生活を送ります。違いがあるとすれば、遺伝的要因以外には個人の内面や考え方だけという事になります。つまり、この研究から「ポジティブ感情⇨長寿」という因果関係があるということが分かったということです。
アメリカの女子大学の卒業記念アルバムに載っている141人の写真から、純粋な笑顔(デュシェンヌ・スマイル:口角が上がり、目尻に笑い皺がある)と作り笑いとに分類し、30年後の結婚生活について調査した研究では、約半分がデュシェンヌ・スマイルでした。

そして、デュシェンヌ・スマイル組の大半が30年後でも結婚生活を持続させ、心身共に健康だったそうです。
また、1952年のメジャー・リーグ選手の写真から2009年までに亡くなった150人を調査したところ、笑っていなかった人の死亡年齢は平均72歳、少し笑っていた人は75歳、デュシェンヌ・スマイルだった人は80歳で、統計的に有意な差が見られたそうです。
『笑う門には福来る』や『病は気から』が研究でも証明されているということですね。
過去記事「病み堕ちした時に読む本」で紹介したフキハラも同じようなことだと思いますが、「不幸」や「幸福」は周囲に伝染することが研究で明らかになっています。
ある個人の幸福は友人たちのみならず、友人の友人の友人にまで影響を及ぼします。約12万人の中の1020人を幸福の水準に応じて水色~黄色に色付けすると、不幸な人は不幸な人、幸福な人は幸福な人同士でつながる傾向がある上、不幸な人はネットワークの周縁に位置する傾向があることが分かったそうです。
これを数学的に分析すると、直接つながっている相手が幸福だと本人も約15%幸福に、友人の友人でも10%、友人の友人の友人だと6%幸福になるそうです。
『類は友を呼ぶ』は、研究でも証明されています。これはもう、不幸そうにしている人とはなるべく距離を置き、幸せそうな人と積極的に付き合うしかありませんね!
世界保健機関(WHO)は、ウェルビーイングのことを「個人や社会のよい状態。健康と同じように日常生活の一要素であり、社会的、経済的、環境的な状況によって決定される」としていますが、本書ではPERMA理論としてウェルビーイングを整理しています。本当の幸せを目指す時の参考になりそうです。
P(ポジティブ感情)
E((熱心な)参与・従事/(熱中する)没頭・没入)
R(人間関係)
M(意味・意義)
A(達成)
『今さえ良ければ良い』という短絡的な快楽は真福(真の幸福)や開福・栄福(開花による幸福・繁栄)には繋がりません。永福(永続的幸福)を目指すには PERMAに照らし合わせて考える必要があるということです。
ウェルビーイング(本当の幸せ)は、ポジティブであれば良いという一面的なものではないというのが分かりますね。
本書は、ポジティブ心理学を用いた育児、教育、政治経済などについても述べられており、とにかく、ポジティブ心理学は世界を救うという本です。
私も、本書を読んで、周囲や世界を幸福にすべく、 デュシェンヌ・スマイルを心がけていきたいなと思いました。最近、目元の皺が気になっていたのですが、これからは、むしろシワシワの笑顔で、いつも幸せそうに笑っていきたいと思います(笑)
