今回は、「これも修行のうち。」(2016年)を読んで、怒りや不満、ネガティブ思考に囚われた時の切り替え方がすごく参考になったので、仏教の考え方と良いなと思った修行をまとめたいと思います。
過去記事「2羽のかも」では、ネガティブ思考はただ放っておけばいいということでしたが、私は過去に、嫌なことが頭から離れず、不眠になってしまったことがあるので、そう簡単じゃないんだよなぁとも思っていました。
仏教では、生命の本質を心・体・関係性の3つにとらえます。そして「心」とは「反応」のことで、 ①感覚、②感情、③思考、④意欲、⑤意識の5つの種類に分けられるのだそうです。

この中でも「意識」は別格です。「意識」とは、まだ感情や思考などの反応が生まれる前の〝反応の素〟みたいなものだそうです。ニュートラルで、まだ怒りや妄想といった「煩悩」になる前の、きれいな状態の流れです。
そして、この「意識」が外の刺激に触れたときに、感覚・感情・思考・意欲という四つの反応を作り出すのだそうです。
私たちの日頃の悩みは、 ①感覚:映像(視覚)、音楽(聴覚)、食事(味覚)、香り(嗅覚)、ぬくもりや触覚や、カラダを動かして感じる感覚など、②感情:〝快〟か〝不快〟かという反応、喜び、怒り、悲しみなど、③思考:脳で考えることすべて、④意欲:何かを手に入れたい・行動したいというエネルギーのいずれかに属します。
意識を向ける先(対象)を、感覚・感情・思考・意欲のいずれかに〝切り替える〟ことで、不快な反応をリセット(解消)することができるとお釈迦さまは教えています。
例えば、
イライラする(感情)→運動(感覚)
もやもやする(思考)→散歩(感覚)
やる気が出ない(意欲)→楽しいこと(感情)
というように、車のギアを変えるように、心のチャンネルを変えることができれば、苦しまないということでした。

そして、本書に載っているプチ修行の多くが「感情にも思考にも、心を使わない(反応しない)」ものや「感覚に意識を向ける」ものでした。つまり、瞑想やマインドフルネスということになりますね。
サティとは、「心の中に〝ある〟ものを〝ある〟と理解すること」です。心の中には、身体の感覚、怒り・喜びなどの感情、頭で考える思考、意欲などがあります。こうした、心に〝ある〟もの(反応)をよく見て、「今、心にはこういう反応がある」と客観的に理解するように努めることが、快適な心と生活づくりの第一歩なのだそうです。

具体的には立っている足の裏の感覚を感じたり、「今から服を着ます」「今、服を着ています」というように行動を言葉で確認したり、 自分の心にあるものを「怒りの感情がある」と言葉で確認したり、「今からこれをやります」と宣言して作業に集中したりします。
まずは心の反応に気づくことが大事で、それを声に出すことが修行になるのだということがわかりました。
本書では、50個ものプチ修行が書かれていますが、やってみたいなと思った修行を3つだけご紹介します。
感情のプチ修行:冷え冷え禅
夏の暑い盛りに、「それにしても暑いなあ(苦)」と外で感じます。そこからクーラーの効いた室内に入って、「あぁ、涼しい!」と感激するという修行です。今からの季節ピッタリですね!
思考のプチ修行:妄想リセット
①目を閉じて、今考えていることは〝妄想〟であると確認します。
②目を開いて、目に見える光(視覚)や、肉体の感覚(手や足の感覚)を意識して、 「さっき考えていたのは妄想だった」とはっきり自覚します。
「まだ起きていないものは全て妄想」なので、全部リセットしてしまいましょう。
意欲のプチ修行:作業から始める
ぼんやりして、やる気が出ない時は、心の回転数を上げるために「作業(感覚)から入る」ことです。お寺で朝から境内の掃除や読経を行うように、朝一の作業を決めてしまうといいなと思いました。通勤時に、足の裏に意識を集中して歩いたり、五感で空気を感じるだけでも感覚に集中することができます。
本書を読んで、まず気づくこと、そして5つの心を言語化することから始めたいと思いました。そして、ネガティブ思考に気づいたら、心のチャンネルを切り替えるところまでできたら、良いなと思います。これも、修行なので、日々実践してみたいです。
