今回は、「パブリック・スピーキング 最強の教科書」(2018年)を読みました。
私も教員を10年以上していますので、人前で話すことにはある程度慣れているつもりでしたが、よく考えると50名かせいぜい100名を前に話す程度で、著者さんのような5,000人規模の講演会なんて経験ないな〜すごいなぁと思いながら読んでいました。
無関心どころか聴衆の全員が「最初から敵」という状態でも、話した後には聴衆を魅了し熱い一体感と感動の渦に包まれてしまうという「パブリック・スピーキング」のテクニックの中で、自分も取り入れたいなと思った部分をまとめたいと思います。
スピーキングの本なのに、最初に書かれていたのはマーケティングでした。USP(Unique Selling Proposition)が出てきて、「ハイパワーマーケティング」やん!と思ったら、最後の方はジェイ・エイブラハム大学の話で占められており、やっぱりねと思いました。
USPとは、自社の商品やサービスが持つ独自の価値を端的に表現したもので、キャッチフレーズのようなものです。「ドミノピザ」の「ホットでフレッシュなピザを 30 分以内にお届けします。もし、30分以上かかったらピザの料金は頂きません」などです。
まずは集客するための準備が大事だということですね。
5,000人規模のセミナーを成功させる9つのステップのうち、セミナーが開始してからのテクニックは手順通りにできるようになりたいなと思いましたのでご紹介します。
- スキャン
ステージに立ったらまず周囲をぐるりと見渡します。ゆっくりと歩いて、一人ひとりと目を合わせるようにすると良いそうです。 - エンロールクエスチョン
最初に講座に関連した問いを聴衆に投げかけます。 - 感謝を伝える
今日会場に来てくれたことに対しての「ありがとう」を心から伝えます。 - 名前を名乗り、講座名を言う
- ゴールを語る
今回のセミナーやイベントにどんな価値があるのかを説明します。明日の朝にはどんな未来が待っているのかを簡単な言葉で伝えます。 - コール&レスポンス
「それを知りたくないですか?」と聞いてみて、「ぜひ知りたい」と返したら、「では、これからそのお話をします」という具合に、話をする権利を得ることで、聴衆の聴く態勢を整えます。
TEDで見たことある感じの、アメリカのスピーカーみたいだなと思いました。どれも難しいことではないので、お作法として覚えておいても損はないと思いました。
「ゲイン・ロス効果」とは、最初に抱いたイメージや印象に対してその後のギャップが大きければ大きいほど、相手に大きなインパクトを与えられるというものです。途中でジャケットを脱ぎ、ラフなスタイルになることで聴衆の脳に混乱を起こし、話にのめり込ませてしまうのだそうです。

簡単な方法なので、是非覚えておきたいです。イメージのギャップが大事だということなので、女性なら途中で髪を下ろしたりしても良いかもしれませんね。ネコ耳カチューシャをつけるなんてのもアリなのでしょうか(笑)
聴衆を全員巻き込みたいというのであれば、常にそこにいるいちばん低いレベルの層に合わせて話をするのが簡単な方法ですが、「ブレットトーク」というテクニックも有効だそうです。ブレッドとは、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるの鉄砲玉のことであり、「今から〇〇の人に話をします」と言うやり方です。女性の次に男性、お金を持っている人の次にお金がない人に向けて話せば、会場全員を巻き込んだスピーキングができるということでした。
確かに、自分に向けて話していると思うと、一生懸命聞こうとするなと思いました。
また、一方的に話すばかりでは聴衆の共感は得られません。では、どうするのかと言うと、「困ったら質問しろ」だそうです。「~という方はどのくらいいらっしゃいますか?」(スピーカーも手を挙げる)→「ありがとうございます。では~という方は?」(スピーカーは反対の手を挙げる)といった具合に、聴衆を参加させる・行動させることを意識して話を進めることが大事だそうです。

「どのくらいいますか?」や「もっとお金持ちになりたい人は?」といったように、「どのくらい?」や「もっと」を使うことで多くの聴衆に参加してもらえるということでした。そして、レスポンスに対して必ず「ありがとう」を伝えることも忘れてはいけません。
本書を読んだ感想としては、正直あまり好きではないというものです。何を話すのかも決まっていないうちから会場を押さえるとか、話す内容の知識が足りないなら本を何冊か読めば良いとか、大義名分が必要など、、、ビジネス感・お金儲けにしようとする感が強いなと言う印象を持ってしまいました。
テクニックはもちろん知っているに越したことはないのですが、このような技術を持った人ではなく、小林正観さんのように、本当に中身のあること、自分に足りなかった価値観を教えてくれる人の話を・声を聞きたいんだよな~と思いながら読みました。

