歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

手入れすること

今回は、「スルメを見てイカがわかるか!」(2014年)を読んで、手入れすることについて心に響いたので、考えていきたいと思います。

 

 

 

自然とは何か

日本で自然と言うと里山が思い浮かびますが、アメリカで自然と言うと、人の手が全く入っていない自然を指すそうです。グランドキャニオンは国立公園ですがほとんどが自然保護区域として守られているため観光客は入れず、一部のみ立ち入りが許可されているということでした。人の手が入ったら、それは自然ではないというアメリカの考え方が伺えますね。

一方、日本はそもそも土地が狭く、地震、台風、火山噴火などの天災により度々自然環境がリセットされます。日本の自然は絶えず変更を余儀なくされ、さらに人の手が入って里山という人の手が入った自然が形成されていると言えます。

人の手が入れば人工物なのか人も自然の一部なのか、白黒つけるのは難しい問題です。私も本書を読んで、養老先生と同じように白黒はつけなくて良いという考えを持てるようになりました。

 

 

子育てや教育

本書によると、子育てや教育も「手入れ」と考えることができるそうです。子どもにこうなって欲しい、あんな風に育って欲しいと思い手をかけても、どのように育つのかは分かりません。本当に、親の思うようにはならないのが子どもですね。

子育て本によくある、「○○すれば△△の子どもが育つ」という話も本書では否定します。子どもとは「自然」のようなものであり、毎日少しずつ、丹念に手入れをして、あとは自然に任せる、何が出て来るのか分からないけれども、楽しみに待つ、そういった態度で子育てをすると良いのではないかと言うことでした。

 

 

もっと大雑把でいい

思い通りにはならないというのは、子どもだけでなく世界も同じです。どうしても世界は原理主義の考え方に染まってしまいますが、科学研究でも全てAだからBだという結果ばかりではありません。これは絶対に白だ、絶対に黒だ、という決めつけは争いしか生まないなと思います。宗教戦争がそうですね。本書を読んで、物事は白でもあるし、黒でもある、白でもないし、黒でもない、というように、世界はもっと大雑把に捉えて良いのではないかと考えました。

 

 

まとめ

私自身が一人っ子だったので、男の子3人の子育てというのは思い通りにならないばかりか、異次元というか、想像をはるかに超えるものであり、驚愕とあきらめの連続です。それでも、毎日手入れをしなければいけないなと本書を読んで改めて考えさせられました。

脱いだ靴下は洗濯かごに入れる、開けたら閉める、つけたら消す、使ったものは元の場所に戻す、プリントを床に捨てない、体操服や給食服は持って帰ったらすぐに出す、家の仕事をすすんでする、などなど…息子たちが将来お嫁さんに愛想つかされることのないように(私の思う通りにはならないかもしれませんが)毎日丹念に手入れをしようと心に誓いました。