歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

時間は存在しない、今を生きる

「時間は存在しない」(2019年)は、ループ量子重力理論という理論物理学の世界を通して、どうして時間は存在しないと言えるのかを丁寧に説明されています。本書には難しい数式は書かれていませんので、安心してくださいね。

 

 

時間は存在しないのだと言われても、感覚的に納得できるものでも無いですが、自分の中で気づきあったので、ご紹介したいと思います。

 

時間は歪む

時間の流れは、山では速く、低地では遅いのだそうです。また、じっとしていると時間は速く過ぎ去り、動き続けている人間にとっては、時間がゆっくり進むということも発見されています。
時間は万人に等しく与えられていると言いますが、実際に観測したデータからも時間は万人に同じではないとはっきり言えるということです。

 

ブラックホール

ブラックホールの質量はあまりに大きいので、時間がひどく遅くなるということになります。ある場所(ブラックホールの縁?)では、時間が止まってしまうと考えられるそうです。

ブラックホールに入ってしまうと、永遠の時を過ごさなければいけなくなるということですね。SFの世界だ。

 

時間を切り分けたのはヒト

ヒトは、昔から事物が変化する様子(日、月、年、砂時計など)を数えることによって、時間について考えてきました。時間は、事物の変化の様子を測る方法の一つでしかなく、時間と言う概念は人が作り出したものだとも考えられます。

 

時間は粒でできている

時間の最小単位を「プランク時間」と言います。時間はごく微細な粒からなっていて、流れるのではなく、ぴょんぴょんと一つの値から別の値に飛ぶものとして捉えるべきであるというのがループ量子重力理論の考え方です。

→私は、パラパラ漫画のような世界をイメージしました。

 

世界はエントロピーの増大でできている

エントロピーとは、「乱雑さ」を表す物理量で、宇宙が生まれた時には低かったとされます。エントロピーには熱力学の第二法則(エントロピー増大の法則)が保たれるため、エントロピーの増大による原因→結果の関係が成り立ちます。そこにヒトの記憶が存在し、痕跡が残るので、それを時間として人間が区切っている、つまり、エントロピーの次元で考えると、パラパラ漫画の1コマ1コマに原因と結果があるだけで、過去や未来といった時間は存在しないということになります。

 

今を生きなさい

過去や未来は存在しないというのは、アニータさんも言っていたことです。アニータさんは、今を精一杯幸せに生きなさいと言います。

ddh-book.hatenablog.com

 

「人生で起こること すべて良きこと: 逆境を越える「こころの技法」」(2015年)の中で田坂広志氏は、大病を患い医師にも見放された時、禅僧の言葉から「病を悔いることに、時間を使うことはしない。病を憂うことに、時間を使うことはしない。いまを、生きよう! いまを、生き切ろう!」と決心し、病は消え去ったと述べています。

 

 

 

Appleの創業者、スティーブ・ジョブズ米国のスタンフォード大学で行った伝説的スピーチにおいて、「今日が、人生最後の日だったら、 自分は、このことをやりたいと思うか。 いつも、そのことを自分に問いながら、 歩んできました」と述べたのは有名ですね。

 

まとめ

私たちの生きる世界がパラパラ漫画のように一瞬一瞬が連続しているように変化する世界だとして、今の一瞬が次の一瞬に不確定の影響を与えるとしたら、今の一瞬一瞬を生きることが大事だよねと「今を生きる」ということがやっと分かった気がしました。
自分はどうなりたいのか、どんな気持ちで、どんな人生を送りたいのか考えて今を精一杯生きることで次の一瞬が映画フィルムのようにどんどん変わっていくのだと考えると、なんだかワクワクしますね。

これからも時計は見ますし、約束の時間はちゃんと守ろうと思いますが、原因と結果の連続があるだけで、時間は存在しないということを頭の片隅に置いて生活したいと思います。