歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

歯科の未来を想像してみる

「未来に先回りする思考法」(2015年)という本を読んだので、私も歯科の未来を思考してみようと思います。

 

 

 

テクノロジーの進化は点ではなく線で考える

テクノロジーは人間の持つ機能の拡張だと言えるそうです。手足→斧や弓、草履→室内(スイッチ、家電、エレベーターなど)→室外(汽車や自動車)→空(飛行機)→宇宙(スペースシャトル)といった具合で、現在はインターネットにより、全世界のいたるところに目や耳が配置され、人間が拡張されていると言えます。

 

また、テクノロジーは一定の順番(実験室→一般家庭→社会全体)を経て物理的に遠くへと浸透し、浸透すればするほどその存在感を消していく、つまり空気のように当たり前になっていくそうです。

 

組織の変化

一方、組織は、血縁型の封建社会からハブ型の近代社会に変化しましたが、今後は分散型になっていくのではないかということでした。

組織の形態

 

歯科治療の進化を想像してみる

歯科治療は基本歯科医院に行かないとできませんが、オンライン診療やロボット診療ができないかと考えてみると、現時点でも3Dスキャン技術が発達し、(今も学校で教えてはいますが)アルジネートをスパチュラで練って採る印象採得は必要なくなってきていますね。となると、この先の未来は、スキャンが当たり前といったところでしょうか。

 

医科では遠隔オペもできるよう開発されていることから、歯科でも遠隔治療が当たり前になるでしょうし、歯のビックデータが集まれば、検査、削る、抜歯、印象採得などの基本的な治療はロボットにさせて、遠隔チェックくらいで良くなるかも知れません。

 

未来では、事前に情報を送ると、個人データ(既往歴など)が参照されて治療ができる日時と場所を案内され、カプセルに入って機械に検査~治療をしてもらうというのが当たり前になるかも知れませんね。機械に任せられない症例の場合は、遠隔操作で歯科医師が直接治療をするなら、少子化で歯医者が激減しても何とかなりそうです。

 

歯科医師の組織

歯科医師(院長)がトップの封建型歯科医院ではなく、ハブ型や分散型で同時に様々な治療をこなしているかもしれません。

 

歯科衛生士の未来を想像してみる

歯科衛生士が行うSPTやSRPでも、歯肉縁上はロボットが完璧にケアしてくれて、縁下は遠隔操作になるかも知れません。プロービングやスケーリングは指先の感覚が大事だと言われる方もいるかもしれませんが、機械にしっかりと学習させれば、どの部位も同じプロービング圧でポケット測定ができますし(そもそもスキャンによりプロービングは必要ないかも)、歯肉や象牙質の損傷を完璧に抑えたスケーリングも可能になるのではないかと思います。人の手は2本ですが、ロボットなら何本もの手で同時に処置できて、短時間で終わるので、昔は人の手でSRPをしていたなんて!と、未来の歯科衛生士からびっくりされるかもしれませんよ。

 

歯科衛生士の組織

歯科衛生士の組織は、歯科医院ごとに歯科衛生士を囲い込むことは難しくなって、患者が専門分野の歯科衛生士を選び(キャリアにより金額も違う)、OL上で歯科医師から指示内容や治療内容をやり取りして、ゴーグルと指につける専用デバイスを使って自宅でも仕事ができるかもしれません。カプセル歯科医院にいるのは機械のメカニックだけになりそうですね。それか、メカニック専門の歯科衛生士が生まれたり?

 

まとめ

今はタッチパネルが当たり前ですが、一昔前はボタンを押したり回したりていましたよね。終身雇用が当たり前だったのは過去の話で、未来はブロックチェーン技術を使ったDAO(※過去記事参照)のメンバーになって仕事をするのが当たり前になるのかも知れません。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

未来を思考する時は、今という点で捉えるのではなく、過去・現在・未来に繋がっている線で考えることが大事だそうです。時には立ち止まって、どんな未来になるのか想像してみるのも楽しいですね!