歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

マイナス感情と離職

以前、「仕事を辞めるべきか続けるべきか…」感情のコントロールって大事だよねという話をしましたが、今回は産業医経営コンサルタントから見た「「辞める人・ぶら下がる人・潰れる人」さて、どうする?」(2020年)という本が心に刺さったので、ご紹介します。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

 

 

 

離職理由は人それぞれ

離職には、自分がやりたいことを実現するための「積極的離職」と、適応不良から会社を離れる「消極的離職」があるそうです。すべての離職に対応することは不可能であり、優先順位(若手有望→若手一般→優秀中堅)をつけて、離職のタイプを分析して対応することが大事で、会社のタイプによっても方針は変わってしかるべきということでした。

歯科衛生士でも優秀な若手ほど、ここはダメだと思うとサッと辞めていきますよね(笑)。どんな会社や組織でも、ここを押さえた対応が大事だよということですね。

 

マイナス感情は感染する

マイナス感情が起きる原因も人それぞれです。人が生き生きと働けるかどうかは、「心身のコンディション」「働きやすさ」「働きがい」の活性3要素のピラミッド構造になっているそうなので、例えば、「働きがい」を求めて優秀な若手が辞めていくのに対して、「働きやすさ」に関する施策を取り入れてもマイナス感情解消されず、離職は防げません。
マイナス感情はインフルエンザのように部署内の人々に感染していくため、早期発見・早期治療が大事だということでした。

活性3要素



マイナス感情発生のメカニズム

まずは、採用のミスマッチについて述べられていました。とにかく人が欲しいからと採用することは後々マイナス感情を発生させ、社内で感染・増殖してしまうので、避けた方が良いですね。
また、社内調査や1on1を実施するなどして活性3要素から分析し、マイナス感情の蓄積プロセスを理解して、特に消極的離職に対処していく必要があるそうです。安易に「働きやすさ」を上げれば離職を防げるという考えは間違いで、モチベーションの低いぶら下がり人材(消極的定着)を増やしてしまうことになってしまいかねません。

ぶら下がり人材

会社がホワイトすぎて新入社員が離職するなんてネット記事を読んだことがありますが、まさにこれですね。

 

ぶら下がり組織

ぶらさがり人材ばかりになると、文句を言うばかりでやる気のないぶら下がり組織が出来上がります。ぶらさがり人材は積極的離職はしませんが、優秀な若手がどんどん積極的離職をしていき組織が衰退します。ぶら下がり組織になってしまったのであれば、ぶら下がりできない環境にする、例えば評価基準を作って「働きやすさ」を低下させ、消極的離職を促すと良いのだそうです。

組織自体もかなりの傷を負う覚悟が必要ですが、これも自分達の撒いた種と言うことでしょうかね…はたして、踏み切れるかな?

 

まとめ

マイナス感情の最小化をはかるためには、社員の心に関心を持ち、想像力を働かせることが大事だということでした。自分自身で感情コントロールもしないといけないですが、上司が部下の感情に関心を持ってくれるとやっぱり嬉しいし、働きやすいですよね。自分が所属する組織も活性の3要素(心身のコンディション、働きやすさ、働きがい)で分析してみると面白い発見があるかもしれませんよ!