歯科衛生士のよみもの

kindle unlimitedで本を読み漁り、感じたことを考察していくブログです。

自分ファースト?子どもファースト?

今回は、子育てについて180度意見が違う本を読みました。

1冊は、「0歳から就学前に読む 愛着と発達がわかる 子育ての教科書」(2022年)、もう1冊は、「「私、ちゃんとしなきゃ」から卒業する本」(2020年)です。

 

 

 

 

どこが違ったのかというと、「子育ての教科書」では3歳までの愛着形成に親子関係は重要なので、子どもに合わせた生活に切り替えましょう。そこに手を掛けることで大きくなってから子どもが自分の力で生きていく力がつくということ、もう一方の「私、ちゃんとしなきゃ」では、子育てにおいても自分が一番で良い、自分が満足で幸せであることが家族のためになるということです。

 

極端なところもありますが、どちらも一理あるなと思います。

 

「子育ての教科書」は幼少期に愛着形成がうまくできずに、とても苦しんで克服してきた著者さんが書かれています。ですので、愛着形成の重要性についてはかなりのウェイトで述べられていますし、実際に園長の経験から愛着障害で苦しんでいる子供を見てきて、何とかしたいという思いであふれています。

 

一方、「私、ちゃんとしなきゃ」では愛情?が重すぎる家庭で「こうあるべき」という親の考えを押し付けられて育った著者さんが、「~べき」を1つひとつ根本から考え直して自分を解放した成功体験をもとに述べています。まだお子さんは小さいようなので、今後どうなるのかは分からないよとは思いますが。

 

脳の発達を考えると種を撒く適切な時期や期限があることは明白で、子育てについて学ぶことはとても重要だと思います。また、愛着障害により発達障害のような症状や行動が出るというのは初めて知りました。高校の授業で男女ともに子育てや、子どもの愛着形成、心身の発達を教えることはニートや自殺を減らすだけでなく、国力にもつながると思います。

 

歯科衛生士の立場からも、離乳食期の手づかみ食べやう蝕菌の早期感染予防は子どもの発育や将来にとってとても重要なので、できれば高校生くらいの時期と妊娠中にすべての人が学ぶ機会があれば良いのにと感じています。

 

一方、子育て本を読むと(どの著者さんも大体できることから、全部できなくて大丈夫と書かれていますが)いつも、しなければいけないこと、した方が良いことが多すぎてプレッシャーを感じ、苦しいと感じてしまいます。

 

現代のお母さんは役割が多すぎて、情報が多すぎて、やることが多すぎていっぱいいっぱいなんだと思います。

 

そう考えると、子育ての前に自分ファーストが大事だなとも思うんです。生活に合わない「〜すべき」を一つずつ見直して、話し合って、より良い方法を考えていくことは、家庭内「学習する組織」だなと思いました。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

Kindleでも一つ本を読むとおすすめ図書が出るようになり、簡単にフィルターバブルの中に取り込まれてしまいます。自分の好む意見ばかり集めていれば居心地も良いです。しかし、「失敗の科学」で学んだように、知らない間に確証バイアスの罠に陥る可能性があることを忘れてはいけません。

 

ddh-book.hatenablog.com

 

様々な意見に耳を傾けて、自分が何を大事にするのかは自分で考え、判断しないといけない。それが自分ファーストということだと思いました。